ぶら(読み)ブラ

デジタル大辞泉 「ぶら」の意味・読み・例文・類語

ぶら

《「ぶらぶら」から》
ぶらぶら垂れ下がったもの。
「足が二本―になったっけが」〈滑・浮世風呂・四〉
ぶら提灯ちょうちん」の略。
「その―はよしな、弓張りがよいよ」〈滑・虚誕計〉
地名を表す語に付いて、そこをぶらぶら歩く意を表す。「銀(=銀座ぶら

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「ぶら」の意味・読み・例文・類語

ぶら

  1. [ 1 ] 〘 名詞 〙 ( 「ぶらぶら」から )
    1. ぶらぶら垂れ下がったもの。
      1. (イ) 楊弓場で、的の下に垂らすおもりなど。
        1. [初出の実例]「ぶらの無い矢取りではやるやうきう場」(出典:雑俳・川柳評万句合‐宝暦一〇(1760)礼一)
      2. (ロ) 骨折して力を入れることのできない脚など。
        1. [初出の実例]「彦が胻骨(むかふずね)を、ぽきィりと扑折(たたっくぢ)くと、足が二本ぶらに為ったっけが」(出典滑稽本・浮世風呂(1809‐13)四)
    2. ぶらぶら遊び歩いている者。遊蕩者。放蕩者
      1. [初出の実例]「京のぶらと大阪のぶらとお江戸のぶらと、三千人のぶらどもが」(出典:歌謡・松の葉(1703)二・木やり)
    3. ( 形動 ) むなしくなること。ふいになるさま。
      1. [初出の実例]「物日の約束はぶらなり」(出典:浮世草子・新吉原常々草(1689)上)
    4. ぶらちょうちん(━提灯)」の略。
      1. [初出の実例]「ぶらをともし」(出典:洒落本・二日酔巵觶(1784))
    5. ぶらぶらやまい(━病)」の略。
      1. [初出の実例]「旅芝居庄屋のむすめぶらをやみ」(出典:雑俳・幸々評万句合‐安永二(1773)賦二)
    6. てぶら(手━)」の略。
      1. [初出の実例]「世話ちんに遣り手は紋をぶらで付け」(出典:雑俳・川柳評万句合‐明和元(1764)天二)
  2. [ 2 ] 〘 接尾語 〙 地名などを表わす語に付いて、そこをぶらつく意を表わす語。
    1. [初出の実例]「例へば銀ぶらと云へば銀座をぶらぶら散歩する事」(出典:音引正解近代新用語辞典(1928)〈竹野長次・<著者>田中信澄〉)

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