ほっと(読み)ホット

デジタル大辞泉 「ほっと」の意味・読み・例文・類語

ほっ‐と

[副](スル)
大きく息を吐くさま。ためいきをつくさま。「ほっと息を吐く」
緊張がとけて、安心するさま。「ほっと胸をなでおろす」「大役を終えてほっとした」
持て余して嫌けがさすさま。
「こっちの釜は物を懸けると、穴があくので―した」〈伎・幼稚子敵討
[類語]吹っ切れる肩の荷が下りる重荷を下ろす息を愁眉を開く眉を開く溜飲が下がる

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「ほっと」の意味・読み・例文・類語

ほっ‐と

  1. 〘 副詞 〙
  2. 太く息をつくさま、ため息をつくさまを表わす語。多く、安心したり、緊張などから解放されたときに吐く息のさまを表わす。
    1. [初出の実例]「ほっと息をついて曰長嘯也」(出典:杜詩続翠抄(1439頃)一三)
  3. 持て余して困るさま、同じ状態が続いたりして、いやけのさすさまを表わす語。
    1. [初出の実例]「発(ホット)飽果(あきはてる)」(出典:俳諧・反故集(1696)下)
  4. 物、人、状態、匂いなどが急にあらわれるさまを表わす語。急に酔うことなどにもいう。
    1. [初出の実例]「新茶のかざのほっとして来る〈芭蕉〉 片口の溜をそっと指し出して〈洒堂〉」(出典:俳諧・市の庵(1694))
  5. ( 特に、「ほっとする」の形で ) 心配事や苦労から解放されて、安心するさまを表わす語。
    1. [初出の実例]「謙作はほっとした」(出典:暗夜行路(1921‐37)〈志賀直哉〉一)

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