ぽんこつ(読み)ポンコツ

デジタル大辞泉 「ぽんこつ」の意味・読み・例文・類語

ぽんこつ

自動車解体。転じて、壊れかかった自動車。また一般に、使い古したり壊れたりしたもの。「ぽんこつ機械
げんこつで殴ること。また、殴り殺すこと。
「―をきめられてヨ」〈魯文安愚楽鍋
[類語]ぼろぼろおんぼろよれよれがたがたぼろい老朽化ほこりっぽい汚いむさ苦しい汚らしい小汚い薄汚いけがらわしいばっちいむさい泥まみれ不潔不浄不衛生不純尾籠びろう醜悪見苦しいみすぼらしい汚穢おわい汚れ物汚濁けがれよごれ汚点汚染くすむ薄汚れる汚れるすすけるあかじみるまみれる油じみる汗じみる廃品廃物廃棄物屑鉄屑物粗品安物見切り品傷物裾物払い物長物死物末期的衰残地に落ちる没落落ちぶれるうらぶれる成り下がる零落凋落ちょうらく転落落魄らくはく淪落消沈衰亡たそがれ失速焼きが回る耄碌もうろく火の車終末落ち目下火尻すぼみ廃退下り坂左前不振じり貧どか貧先細り下がり目低落廃る傾く尻下がり尻切れとんぼ竜頭蛇尾孤城落日

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「ぽんこつ」の意味・読み・例文・類語

ぽんこつ

  1. 〘 名詞 〙
  2. 拳骨(げんこつ)でなぐること。また、なぐって殺すこと。
    1. [初出の実例]「四足をくいへゆわいつけられてポンコツをきめられてヨ」(出典:安愚楽鍋(1871‐72)〈仮名垣魯文〉三)
  3. 明治時代の洗濯業界で、木綿製の衣類などを、固定した木や石にたたきつけて汚れを取ること。また、その方法。
  4. 使いものにならなくなった自動車の解体。また、それをする商売。転じて、中古の、こわれかかった自動車。一般に、老朽化し、廃品同様になったものにもいう。〔自動車の話(1953)〕
    1. [初出の実例]「ぽんこつに出したくしゃくしゃの自動車は」(出典:ぽんこつ(1959‐60)〈阿川弘之〉兄の遺品)

ぽんこつの語誌

( 1 )については、拳骨を西洋人が聞き違えていったボンコツの転か〔大言海〕とする説が有力であるが、「げんこつ」と英語 punish との混成語か。
( 2 )は英語 pound cotton に由来するという。
( 3 )は、挙例阿川弘之の新聞小説「ぽんこつ」によって一般にひろまったもので、ポンポンコツンコツンと叩く音からできた語。

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