まぶ(読み)マブ

デジタル大辞泉 「まぶ」の意味・読み・例文・類語

まぶ

[名・形動]近世語
仕事などがうまくいくこと。また、そのさま。
「―な仕事があるゆゑに」〈伎・都鳥廓白浪
美しいこと。また、そのさま。
「面が―な子供はねえぜえ」〈洒・辰巳婦言
真実であること。本物であること。また、そのさま。
うそをとよ、ほんの事を―」〈洒・品川楊枝〉

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精選版 日本国語大辞典 「まぶ」の意味・読み・例文・類語

まぶ

  1. 〘 形容動詞ナリ活用 〙 ( もと、芝居者、てきや、盗人仲間の隠語という )
  2. 仕事などが、うまくいくこと。上々(じょうじょう)であること。また、そのさま。上首尾。好都合。
    1. [初出の実例]「『仕事はどふぢゃ』『お頭(かしら)、気遣いなさるるなまぶまぶ』」(出典浄瑠璃・姫小松子日の遊(1757)三)
  3. 勝れていること。良いこと。美しいこと。また、そのさまやそのもの。
    1. [初出の実例]「爰の内も、めんがまぶな子供はねへゼヱ」(出典:洒落本・辰巳婦言(1798)四つ明)
  4. 真実であること。本物であること。また、そのさまやそのもの。
    1. [初出の実例]「座广の近辺は、大かた不嘘(マブ)な者なり」(出典:洒落本・秘事真告(1757頃)塩町東辺の相)

まぶの補助注記

語の成り立ちについては、( イ )前項「間府(まぶ)」がもとで、金の出てくる道などの連想から、( ロ )人のまわり合わせ、運などを意味する「まん(間)」と「ふ(符)」の合わさったもの、などとする説がある。

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