まんじり(読み)マンジリ

デジタル大辞泉 「まんじり」の意味・読み・例文・類語

まんじり

[副]
ちょっと眠るさま。ふつう打消しの語を伴って用いる。「心配で一晩中まんじりともしない」
じっくりと見つめるさま。じっと。まじまじ。
「大きな二つの眼が僕のすぐ前で仰向き加減に僕を―と見やって」〈有島宣言
何も手につかないでいるさま。
「もう帰るか、もう帰るか、と待つ間をひとり―としていると」〈紅葉多情多恨
[補説]1について、文化庁が発表した平成25年度「国語に関する世論調査」では、「まんじりともせずその時間を過ごした」を、本来の意味とされる「眠らないで」で使う人が28.7パーセント、本来の意味ではない「じっと動かないで」で使う人が51.5パーセントと、逆転した結果が出ている。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「まんじり」の意味・読み・例文・類語

まんじり

  1. 〘 副詞 〙 ( 多く「と」を伴って用いる )
  2. ちょっと眠るさまを表わす語。普通「まんじりともしない」などの形で打消を伴って用い、少しも眠らないことを強調する。
    1. [初出の実例]「寝ても夜の目をまんじりとも、明六つ五つ四つに過れば」(出典:浄瑠璃・傾城島原蛙合戦(1719)三)
  3. ある行為を思う存分に、あるいはじっくりとするさまを表わす語。じっと。まじまじ。
    1. [初出の実例]「どうでまんじりと泣かしては下さるまい」(出典:歌舞伎・桑名屋徳蔵入船物語(1770)四)
  4. 落ち着きなく何も手につかないでいるさまを表わす語。
    1. [初出の実例]「もう帰るか、もう帰るか、と待つ間を独兀然(マンジリ)としてゐると」(出典:多情多恨(1896)〈尾崎紅葉〉前)

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