ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ワーナー・ブラザース」の意味・わかりやすい解説
ワーナー・ブラザース
Warner Brothers
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アメリカの映画会社。正式にはWarner Bros. Entertainment. Inc.略称WB。1923年、ワーナー四兄弟により製作会社として設立され(彼らの撮影所の開設年1918年を起源とする説もある)、1925年に配給機構、1928年に劇場チェーンを買収して有力会社へと発展。一方、1926年、ウェスタン・エレクトリックとともにバイタフォン社を設立し、サウンド映画(絵とディスクを連動させる形式のもの)を開発する。このバイタフォン方式による『ジャズ・シンガー』(1927)の成功により、同社のアメリカ映画産業での地位が確立された。1930年代初頭は、ギャング映画、バスビー・バークレーBusby Berkeley(1895―1976)振付のミュージカル映画、『仮面の米国』(1932)のような社会の暗部を告発する映画で知られ、1930年代なかばからは、ルイ・パスツール、エミール・ゾラなどを主人公とした伝記映画が好評を博した。1940年代には、ハンフリー・ボガートがヒーローとして活躍。先輩格のジェームズ・キャグニー、エドワード・G・ロビンソンEdward G. Robinson(1893―1973)も幅広い役をこなし、エロール・フリンErrol Flynn(1909―1959)の主演作もドル箱となった。劇場部門切り離し後は、独立のプロデューサーと提携するなど、会社としてのカラーは薄まったが、1950年代後半からはテレビ番組の製作にも力を注いだ。1967年、テレビに映画の旧作を配給するセヴン・アーツに買収され、さらに1969年、コングロマリットのキニー・ナショナル・サービス(1972年ワーナーコミュニケーションズに改称)が新オーナーとなった。1989年に出版社タイムと合併し、タイム・ワーナーという巨大メディア会社となった。
[濱口幸一]
タイム・ワーナーは2001年にインターネット接続サービスのAOLと合併して、AOLタイム・ワーナーとなったが、AOL部門の業績悪化に伴い2003年に社名をタイム・ワーナーに戻した。その後、AOL事業や雑誌出版事業などを分離し映像ビジネスに特化したが、2016年、大手通信会社AT&Tに買収され、2018年、社名をワーナー・メディアWarner Media, LLCに変更した。
[編集部 2018年12月13日]
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