スズメ目ヒタキ科の鳥。全長約23cm。体上面は暗緑褐色,胸から腹,脇にかけて赤みがかった美しいキツネ色をしているのでこの名がある。雌は雄よりも全体に淡く,のどに白色部があることが多い。サハリン,千島,日本に分布しており,冬には北方のものは南下して越冬する。カラマツ林などの明るい林にすみ,地上をピョンピョンはねながら,ミミズや昆虫を探し出して食べる。ズミ,ヤドリギ,ナナカマドなどの木の実がなる季節には,樹上でそれらもとって食べる。秋・冬季,本州中部以南では家の庭にもやってきて,ウメモドキやピラカンタの実を好んで食べる。4~6月の繁殖期には,こずえ付近にとまって,キョロン,キョロン,チュリリーという美しい声でさえずる。わん形の巣を低木の樹上につくり,3~5個を産む。1年を通じて群れになることはほとんどなく,1~2羽で暮らしている。
→ツグミ
執筆者:樋口 広芳
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