アクション映画(読み)アクションえいが(英語表記)action film

世界大百科事典 第2版 「アクション映画」の意味・わかりやすい解説

アクションえいが【アクション映画 action film】

アクション映画の元祖は,西部劇の元祖でもありアメリカ劇映画の出発点でもあるトマス・エジソン製作,エドウィン・S.ポーター監督の《大列車強盗》(1903)というのが通説である。疾走中の列車強盗殺人,馬による追跡など,犯罪と死,暴力性とスピード感というアクション映画のもっとも基本的な要素をすべて内包しており(フランスから起こったいわゆる〈連続活劇〉,例えばルイ・フィヤードの《ファントマ》などにも同じことがいえる),その世界的なヒットが映画の原点はアクションそのものであることを証明し,その後の映画の方向の一つを決定し,とくにアメリカ映画の主流を形成することになる。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アクション映画」の意味・わかりやすい解説

アクション映画
アクションえいが
action film

人物の性格描写心理描写よりも,外面的な動作 (アクション) を重視し,視覚的で動きの速い描写に力点が置かれている映画。通常,スピード感やスリルが売り物にされる。西部劇,連続活劇,ギャング映画などがその典型であるが,広義にはスラップスティック・コメディ slapstickcomedy (攻撃的な激しいアクションを展開し,笑いを誘う喜劇。とりわけサイレント時代のものをいう) まで含まれ,解釈しだいでは,ほとんどの映画作品が該当してしまう。日本では戦争アクションとか,日活アクションという呼称に見られるように,独特の使い方もなされている。

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世界大百科事典内のアクション映画の言及

【香港映画】より

…1970年代初めに,《ドラゴン危機一発》(1972)など,ブルース・リーBruce Lee(1940‐73)の一連の主演作に代表される〈クンフー(功夫)映画〉(中国語のウェード式ローマ字表記kung fuを英語読みにして〈カンフー映画〉とも)が世界的なブームを巻き起こして注目を浴びて以来,香港映画は〈クンフー映画〉の代名詞ともなって世界中に知られている。〈クンフー〉とは広東方言で護身用の格闘技のことで,中国拳法による格闘を主体としたアクション映画が〈クンフー映画〉と総称されるが,徒手空拳の闘いだけでなく武器を用いた諸々の中国武術による闘いを描いた映画(すなわち〈武俠片〉。英語では日本の〈チャンバラ映画〉などをも含めてmartial arts filmと呼ばれる)をも含めて呼ばれることが多い。…

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