アデニン

デジタル大辞泉 「アデニン」の意味・読み・例文・類語

アデニン(adenine/〈ドイツ〉Adenin)

核酸を構成する塩基の一。DNAではチミンと、RNAではウラシル塩基対をつくる。

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精選版 日本国語大辞典 「アデニン」の意味・読み・例文・類語

アデニン

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] adenine ) ヌクレオチドや核酸の構成成分となる有機塩基。デオキシリボ核酸(DNA)ではチミンと、リボ核酸(RNA)ではウラシルと塩基対をつくる。

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化学辞典 第2版 「アデニン」の解説

アデニン
アデニン
adenine

6-aminopurine.C5H5N5(135.13).核酸の一成分で,核酸を加水分解すると得られる.チオ尿素マロノニトリルから4,5,6-トリアミノ-2-チオピリミジンとし,これからプリン環を形成して段階的に合成するか,シアン化水素アンモニアから直接合成する.三水和物C5H5N5・3H2Oは針状結晶.110 ℃ で無水物となる.220 ℃ で昇華,360~365 ℃ で分解する.熱水に可溶,エーテル,クロロホルムに難溶,酸,アルカリに可溶.水溶液は中性を示す.λmax 263 nm(ε 13.0×103,pH 2水溶液).亜硝酸と反応してヒポキサンチンとなる.[CAS 73-24-5]

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

栄養・生化学辞典 「アデニン」の解説

アデニン

 C5H5N5 (mw135.13).

 図に示した塩基性化合物で,プリン塩基の一つ.リボースと結合してアデノシンとなり,デオキシリボースと結合してデオキシアデノシンとなる.誘導体がRNA,DNA,フラビンアデニンジヌクレオチド,ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド,ATPなど生体中に多く存在する.

出典 朝倉書店栄養・生化学辞典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のアデニンの言及

【遺伝暗号】より

…通常この三つ組(トリプレットtriplet)は,塩基の頭文字をとったアルファベットの4文字(A,U,G,C)を三つ並べて表記する。A,U,G,Cはそれぞれ,アデニン,ウラシル,グアニン,シトシンを表し,1個のコドンは1個のアミノ酸または読み終りの信号(句読点のようなもの)に対応する。遺伝暗号表の読みかたは,三つ組塩基の左側から,1番目,2番目,3番目とし,UUUというコドンなら,左上端のフェニルアラニン(Phe)というアミノ酸に対応することがわかる。…

【核酸】より

…DNAでは糖の部分が2‐デオキシ‐D‐リボース(2‐deoxy‐D‐ribose)であるのに対して,RNAのそれはD‐リボース(D‐ribose)である。さらにDNAの塩基はアデニンadenine(Aと略す),グアニンguanine(G),シトシンcytosine(C),チミンthymine(T)の4種からなるが,RNAの場合はチミンの代りにウラシルuracil(U)が用いられる(図2)。DNAもRNAもこれら4塩基がいろいろな順序で多数配列した巨大分子であり,場合によってはこれら塩基に特殊な修飾の加わった(例えばメチル化された)微量塩基が少量存在することもある。…

【プリン塩基】より

…生体中で核酸の構成成分,あるいは低分子化合物として機能する。アデニン,グアニン(少量存在するものとしてはヒポキサンチンおよびそのリボヌクレオシドであるイノシンなどがある)はピリミジン塩基(シトシン,チミン,ウラシル)とともに核酸の重要な構成成分である。アデニンはATP,NAD,FADなどの補酵素の構成成分でもある。…

※「アデニン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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