小アジアともいう。トルコ名はアナドル(Anadolu)。黒海,マルマラ海,エーゲ海,地中海に挟まれた半島。現在トルコ共和国領。前16世紀頃アーリヤ系のヒッタイト王国が成立し,メソポタミア,シリアの一部を領有したが前13世紀頃衰え,それに乗じて西部アナトリアにフリュギア王国が建てられ,前7世紀にリュディア王国に征服された。前6世紀アケメネス朝がギリシア植民地のある沿海地域を除く全域を占領し,その後アレクサンドロス大王の領土となった。大王の死後,カッパドキア,ポントス,ペルガモンなどの小独立国が各地に割拠したが,その後,ローマはパルティアと戦いつつ経略を続け,前2世紀後半にこれら諸国を併合した。後3世紀イランに興ったサーサーン朝は西進してローマ,ビザンツ帝国と戦った。7世紀にイスラームが興ると,アラブの圧力を受けたが,11世紀後半まで,その全域はビザンツ帝国に保有され続けていた。その後ルーム・セルジューク朝,オスマン帝国によって,アナトリアはトルコ化,イスラーム化し,第一次世界大戦後トルコ共和国の成立をみた。
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…アジアの西端に突出した半島で,アナトリア(トルコ語アナドルAnadolu)ともよばれる。古くアジアという地名は漠然と〈東方〉を意味し,最初は現在の小アジアの西部をさして用いられた。…
…正式名称=トルコ共和国Türkiye Cumhuriyeti面積=77万9452km2人口(1996)=6265万人首都=アンカラAnkara(日本との時差=-7時間)主要言語=トルコ語,クルド語通貨=トルコ・リラTurkish Liraアジア大陸の西端に位置し,アナトリア(小アジア)とヨーロッパ大陸のマルマラ海沿岸地方の一部とにまたがる共和国。なお,共和国成立以前の歴史については〈トルコ族〉〈セルジューク朝〉〈オスマン帝国〉などの項を参照されたい。…
…また,ソフィアを都とした州の名。ビザンティン帝国の人々が,自分たちをロマイオイRhōmaioi,国土をロマニアRhōmaniaと呼んでいたことから,ムスリムはビザンティン領をビラード・アッルーム(ローマの地,すなわちアラブからみればギリシア語の世界)と呼び,それは主としてアナトリアを指していた。トルコ族がアナトリアを征服した後,13世紀ごろからヨーロッパ人がアナトリアを〈トゥルクメニア〉,すなわち〈トルコ人の国〉と呼び始めると,ロマニアはビザンティン帝国に残されたヨーロッパ領を指す言葉となった。…
※「アナトリア」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
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