アメン・ラー(読み)あめんらー

世界大百科事典(旧版)内のアメン・ラーの言及

【アメン】より

…ヘルモポリス神学で原初の八柱神の一人とされているが,大神としての興隆は中王国時代(第12王朝)メントゥ(メンチュ)に代わってテーベの守護神となり,国家神の地位についたことにはじまる。とくに新王国時代はイクナートンの宗教改革による一時的な打撃はうけても,大帝国の守護神として勢威は絶頂を極め,ヘリオポリスの太陽神ラーと習合してアメン・ラーAmen‐Raとよばれ,創造神,〈神々の王〉とされた。ムート女神を妻,月神コンスKhonsを子とするテーベの三柱神を形成,本山のカルナック神殿は中王国時代以降プトレマイオス朝にいたる歴代諸王の増改築によってエジプト最大の神殿となる。…

【死】より

…しかし,墓や〈死者の書〉に描かれた死者や死の支配者および彼岸のイメージは,造形的に独立した〈死〉の図像としてはとらえがたい。エジプトの壁画では,死者は冥界の神オシリスか太陽神アメン・ラーの支配下にあって,自分の生前の行為によって善悪の審判を受け,最終的には魂が祝福された永生の状態に入ることを祈念するプロセスが描かれている。ここでは破壊的要素をもつ存在はオシリスの弟で彼を八つ裂きにしたセト,あるいはアメン・ラーを飲みこもうとする巨大な蛇アポピApopiであろう。…

【ムート】より

…古代エジプトの女神で,神々の王アメン・ラー神(アメン)の妻。アメン・ラー,月神コンスとともにテーベの三柱神を形成する。…

【ラー】より

…天地創造時にあるべき宇宙秩序(マアト)を定め,息子であるファラオにラーの役割を演じさせてこの秩序を維持させるとされた。他の神々もラーと習合してアメン・ラーAmen‐Raなどと称することにより創造神としての地位を主張できた。アテン信仰の形成にも強い影響を与え,アマルナ時代にも公認された唯一のアテン以外の神である。…

※「アメン・ラー」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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