精選版 日本国語大辞典 「アーク炉」の意味・読み・例文・類語
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電極間または電極―被加熱物間に電気アークを発生させ、その熱により目的物を加熱する方式の電気炉。電弧(でんこ)炉ともいう。前者は電極間アークからの放射熱で加熱するから間接加熱式アーク炉とよばれ、後者は被加熱物にも電流が流れ、その抵抗発熱による加熱もあるので直接加熱式アーク炉とよばれる。これら従来のアーク炉と原理的に異なるものとして、アーク放電の陽光柱の周囲を気流で絞るときに発生する高温度プラズマの熱を利用したプラズマアーク炉もある。アーク炉は温度制御が容易で高温が得られやすく、熱源からの不純物の混入もない。したがって製鋼や合金鉄製造、各種合金の溶解、高温化学反応用の炉として広く用いられている。製鋼には三相電力によるエルー式アーク炉が用いられ、近年、大型化および高電力操業(HP,UHP=Ultra High Power)により生産性が向上し、国内粗鋼生産に電気炉鋼の占める割合は、2008年の時点で約25%に達している。
[井口泰孝・原善四郎]
炉内に黒鉛棒を2本入れ,これに高電圧をかけアークを飛ばして熱源とする炉をいうが,工業的に広く用いられているアーク炉は,消耗電極型真空アーク炉である.このような炉は,高級な鋼や高純度チタンやジルコニウムの製造によく用いられている.アークで融解製錬しようとする金属を上に保持してマイナスの電極とし,真空中あるいは不活性ガス雰囲気中で水冷銅鋳型をプラス極として,低電圧,高電流のアークを飛ばして融解し,鋳型中に湯がたまるに従い電極棒を降下させていく.アークの直下の金属は溶融していて,いわゆるメタルプールをつくり下のほうから徐々に凝固していく.真空中で融解を行えば電極先端から滴下し,メタルプールをつくっている間に脱ガスなどが進行し,精錬反応が行われる.安定なアークを得るために,上部電極の下降の自動装置や鋳型のまわりの直流ソレノイドによって磁場をつくる装置を設置するのが普通である.融湯を適当な形状の鋳型に鋳込むことができるように工夫されたスカル炉(skul furnace)もこのアーク炉の一種である.また,製鋼用電気炉もアーク炉とよばれている.[別用語参照]真空冶金
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
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…電気炉は燃料炉に比べ,非常な高温に到達させることができる点や操業が容易である点がすぐれている。電気炉は原理的には電気エネルギーを熱に変換して被熱体にそれを伝えるものであり,熱を伝える方式により,抵抗炉,アーク炉,誘導炉の三つに大別できる。
[抵抗炉]
抵抗体に電流を流して発熱させる方式の電気炉で,直接抵抗炉と間接抵抗炉とがある。…
※「アーク炉」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
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