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地中海のほぼ中央部を占める海域。西はイタリア南部ターラント湾およびカラブリア地方とシチリア島の東海岸,東はギリシア西海岸に区切られ,北のアドリア海および西のティレニア海とはそれぞれオトラント海峡,メッシナ海峡によって通じている。南は大きく開けており,明確な境界がない。海底は起伏に富み一般に深く(2000~3000m),ギリシアのペロポネソス半島付近では5000mを超えており,地中海全域を通じての最大深度である。海底の地震活動は活発で,しばしば沿岸地域に被害が及ぶ。沿岸の地形は,イタリア側では比較的変化に乏しいが,ギリシア側は岩がちで海岸線の出入も多いうえ,沿岸にコルフ,ケファリニアなど多くの島々が見られる。どちらの側も自然の良港に恵まれ,古代から重要な海上交通の基地となってきた。それらのうちおもなものは,イタリアのターラント,クロトーネ,カターニア,ギリシアのコリントス,パトラスなどである。
執筆者:萩原 愛一
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地中海中部の海域。東はバルカン半島南西部、西はシチリア島とカラブリア半島に接し、北はオトラント海峡によりアドリア海に通じる。英語名Ionian Sea。古称マレ・イオニウムMare Ionium(ラテン語)。古代ギリシア人はこの海をシチリア海とよび、イオニア海という呼称は、ローマによる征服ののち一般化した。南下するにしたがって水深が増し、最深部はペロポネソス半島南の4594メートル。海域東部のギリシア本土西岸沿いにイオニア諸島が並び、比較的雨量の多いこの地域では果樹栽培が盛んで、オリーブやぶどう酒が輸出される。古来、この海域は地中海の東西交通において重要な意味をもち、とくにケルキラ島(コルフ島)からオトラント海峡を横断してイタリア南岸に達する航路は、紀元前8世紀なかばに始まるギリシア人の植民運動にしばしば利用された。
[真下とも子]
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…第四紀の一時期この部分は陸続きであった。西部は,バレアル海,リグリア海,ティレニア海などからなり,東部は,アドリア海,イオニア海,レバント海,エーゲ海などからなっている。地形形成が新しいこととも関連して,アドリア海を除いて,大陸棚の発達が貧弱であり,海岸平野の発達も非常に限られている。…
※「イオニア海」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
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