世界大百科事典 第2版 「イブン・ジュバイル」の意味・わかりやすい解説
イブン・ジュバイル【Ibn Jubayr】
アンダルスの旅行家。バレンシアに生まれ,アレクサンドリアで没した。父および当時のウラマーよりイスラム諸学とアラビア語諸学を学び,詩文・散文に秀でる。メッカには3回巡礼したが,第1回目の巡礼旅行記を美文体で日記風に記録した。1183年にグラナダを出発し,海路でアレクサンドリアに至った後,上エジプトから紅海を渡り,メッカに巡礼した。次いでバグダードからダマスクス,アッカに至り,ここからシチリアに渡り,85年約2年3ヵ月後にグラナダに戻った。
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