インク
〘名〙 (
ink)⸨
インキ⸩ (
明治期は「インキ」が優勢、のち「インク」が普通になった)
筆記や
印刷などに用いられる
有色の
液体。ふつう単独で用いる場合は①をさす。
①
ペン、
万年筆を用いて筆記するための液体。赤、緑、黒、青、藍青などがあるが、最も広く用いられる
藍青色(ブルーブラック)は
タンニン酸に
硫酸第一鉄を加えたもの。
※東京日日新聞‐明治七年(1874)七月二日「但ペン、インキ等相用候節は、別途買上相渡可申事」
② 印刷インク。
※黒い御飯(1923)〈
永井龍男〉「印刷所特有の、鉛や、紙や、インキの湿った臭ひ」
[語誌]インキとインクの二つの語形については、インキ(ト)の原語をオランダ語の inkt と考え、江戸中期に渡来して一旦定着した後に、英語を原語とするインクが広まったと考える説と、オランダ語の影響は実際には大きくなく、同じく英語を
語源としながら最初はインキが、そして続いて音転形のインクが、ともに定着したと考える二つの説がある。
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デジタル大辞泉
「インク」の意味・読み・例文・類語
インク(ink)
筆記や印刷などに用いる有色の液体。ペン・万年筆用のブルーブラックインクは硫酸鉄(Ⅱ)・タンニン酸・没食子酸などの混合液。明治から第二次大戦前までは「インキ」と書かれるほうが多かった。
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世界大百科事典内のインクの言及
【インキ】より
…インクともいう。インキを用途別に分類すると,筆記用インキ(タンニン酸鉄インキ,色インキ,墨汁など),印刷インキ,各種の特殊インキなどがあるが,単にインキという場合は,タンニン酸鉄インキ(ブルーブラック・インキ)を中心とした筆記用インキを指す。…
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