インゲンマメ(隠元豆)(読み)インゲンマメ(英語表記)Phaseolus vulgaris; French bean; common bean; kidney bean; haricot

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「インゲンマメ(隠元豆)」の意味・わかりやすい解説

インゲンマメ(隠元豆)
インゲンマメ
Phaseolus vulgaris; French bean; common bean; kidney bean; haricot

マメ科一年草で,南アメリカ原産。ゴガツササゲ,トウササゲなどの別名がある。3小葉の複葉を互生し,小葉は菱形で長さ 10cmにもなる。花は蝶形花で,白または淡紅色,長い花軸の先に集ってつく。果実は湾曲した長い莢で長さ 10~20cmになる。現在では全世界の温帯に広く栽培され,重要な野菜の一つである。多数の品種がありその多くはつる性であるが,つるにならないで背丈の低いツルナシインゲンもある。種子の形や色模様は品種により変化が多い。褐赤色のものにキントキマメ,白色のものにシロマルウズラマメ,オタフクマメ,淡褐色に濃茶褐色斑点のあるものにウズラマメ,白地にへその周囲が茶褐色となり濃色の斑紋のあるトラマメなどがある。莢隠元として若い莢を食べるほか,成熟した豆は煮豆,きんとん,あん,甘納豆などにする。インゲンマメの名は,昔隠元禅師が中国から持ってきたことからつけられたといわれるが,その豆は実はフジマメであったという。関西ではフジマメをインゲンマメという。ベニバナインゲン近縁別種である。

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百科事典マイペディア 「インゲンマメ(隠元豆)」の意味・わかりやすい解説

インゲンマメ(隠元豆)【インゲンマメ】

熱帯アメリカ原産のマメ科の野菜。つる性のものと,つるのない矮(わい)性のものとがある。花色は白または淡紅。種子の形,色は変化が多い。柔らかいさやをおもに食用とする品種(ケンタッキーワンダーなど)と,豆を食用とする品種(金時など)に大別され,約200品種。煮豆や菓子原料とする。隠元が日本に伝えたのは別種のフジマメともいわれ,関西ではフジマメをインゲンといい,本種をサンドマメという。冷涼地で栽培されるベニバナインゲンは別種。

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