インゴット(英語表記)ingot

精選版 日本国語大辞典 「インゴット」の意味・読み・例文・類語

インゴット

〘名〙 (ingot) 溶けた金属を鋳形(インゴットケース)に鋳込んで、ある一定の形の塊にしたもの。鋳塊(ちゅうかい)スラブ。〔現代術語辞典(1931)〕

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デジタル大辞泉 「インゴット」の意味・読み・例文・類語

インゴット(ingot)

溶かした金属または合金鋳型に流し込んで固めたもの。鋳塊ちゅうかい

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百科事典マイペディア 「インゴット」の意味・わかりやすい解説

インゴット

製錬された金属を,圧延などの加工や再溶解に適するような大きさ,形状とした鋳塊。鋼の場合は鋼塊という。銅,鉛,亜鉛,アルミニウムなども各独特の形状に鋳込まれるが,一般に厚板形,なまこ形が多い。金,銀など古来から貨幣に使用された貴金属も延べ棒などの板地金についてはインゴットという。
→関連項目金属管真空鋳造伸銅連続鋳造

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世界大百科事典 第2版 「インゴット」の意味・わかりやすい解説

インゴット【ingot】

狭義の〈鋳物shaped casting〉のように直接製品の形状を得るのではなく,製錬された金属をのちに圧延,鍛造などの加工や再溶解を行う目的で,目的に適した大きさ,形状に鋳造した金属塊のこと。鋳塊ともいい,金属が鉄鋼の場合には鋼塊ともいう。近代の金属製錬においては,ほとんどの金属が鉱石から液体金属として取り出されるから,一度インゴットに鋳込まなければならない。インゴットは,製錬や凝固に起因するさまざまな不均一性を有している。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「インゴット」の意味・わかりやすい解説

インゴット
ingot

金属材料を溶製後,圧延,鍛造などの加工をする前に一定の単純な形に鋳造した原料鋳塊。現在量産される金属材料は,大部分連続鋳造される。鋼材では数t程度が普通で,数百tに及ぶものもあるが,非鉄金属材料では一般に数十 kgの小型が多い。インゴット鋳造用の鋳型は鋳鉄製を普通とする。しかし真空溶解などの特殊な場合は水冷の銅鋳型なども用いられる。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「インゴット」の意味・わかりやすい解説

インゴット
いんごっと

鋳塊

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世界大百科事典内のインゴットの言及

【圧延】より


[圧延工程]
 金属材料は圧延によって,板,棒,線,形材,管などに加工されるが,その際に材料を加熱した状態で行う熱間圧延hot rollingと,加熱しないで行う冷間圧延cold rollingとがある。熱間圧延は大きな変形が可能であり,インゴットを分塊圧延したり,板材,形材の圧延に適しているが,仕上げ面が酸化される欠点がある。冷間圧延は小さな変形しかできないが,表面状態が良い加工ができるので,製品の仕上げに利用されることが多い。…

【製鉄・製鋼】より

… 以上述べた各種製鋼法の特徴を表3に示すが,日本では特殊鋼メーカーはほとんど電気炉により,銑鋼一貫製鉄所は転炉が主体である(〈電気炉〉の項参照)。
【造塊】
 各種の製鋼炉でつくられた溶鋼は,いったん取鍋に受け,ここで成分調整,脱酸,温度調節を行い,鋳型に流し込み鋼塊(インゴットという)とするが,連続鋳造機により鋳片を製造する。これらの工程を造塊という。…

※「インゴット」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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