ウィスキー

百科事典マイペディア 「ウィスキー」の意味・わかりやすい解説

ウィスキー

大麦麦芽,あるいはこれに種々の穀類を加えたものを原料とし,糖化,発酵,蒸留したアルコール度の高い蒸留酒起源は不明だが,紀元前からアイルランドでは穀類酒が蒸留されていたとも。今日のウィスキーの原型はイギリスで12世紀頃とされる。原料と製法からモルトグレーンに分類。またタイプからスコッチアイリッシュアメリカンカナディアンに分ける。モルトウィスキーは大麦麦芽のみを原料としたもので,単式蒸留機で2回蒸留する。工程中,麦芽を乾燥させるのにピート(泥炭)を用いるので特有の燻臭(くんしゅう)がつく。また蒸留後ナラだるに入れ,数年以上貯蔵して熟成させる。グレーンウィスキーの原料は,大麦麦芽に,ライ麦,大麦,トウモロコシなどを加えたもので,連続式蒸留機で蒸留する。モルトに比してアルコール分が高く,熟成も短くてすむが香味に乏しい。ブレンドウィスキーは上記両者をブレンド(調合)したもので,スコッチウィスキーも多くはこれに属する。アメリカンウィスキーは連続式蒸留機によるものが多く,原料もライ麦を主とするライウィスキー,トウモロコシを主とするコーンウィスキーバーボンウィスキー)などがある。日本のウィスキーはスコッチタイプで,1920年代から製造が本格化し,1929年寿屋から国産初のウィスキーが発売された。現在は世界有数の生産ならびに消費国である。スコッチ,カナディアン,日本の場合はwhisky,アイリッシュとアメリカンはwhiskeyと綴る。
→関連項目アイリッシュウィスキーカクテルマンハッタン(カクテル)

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世界大百科事典 第2版 「ウィスキー」の意味・わかりやすい解説

ウィスキー

オオムギ麦芽,あるいはこれに種々の穀類(オオムギ,コムギ,ライムギエンバク,トウモロコシ)を加えたものを原料とした蒸留酒。アルコール分40%内外。起源は明らかでないが,紀元前すでにアイルランドではケルト人が穀類の酒を蒸留していたとも伝えられる。しかし,今日のウィスキーの原型ともいうべきものが成立したのは12世紀ころのことであった。ウィスキーは〈生命の水〉を意味するゲール語のウシュクボーuisgebaugh,ウシュクベーハuisgebeathaから転じたものという。

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デジタル大辞泉プラス 「ウィスキー」の解説

ウィスキー

2004年製作のウルグアイ・アルゼンチン・ドイツ・スペイン合作映画。原題《Whisky》。監督:フアン・パブロ・レベージャ、パブロ・ストール、出演:アンドレス・パソス、ミレージャ・パスクアル、ホルヘ・ボラーニほか。東京国際映画祭グランプリ受賞。

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世界大百科事典内のウィスキーの言及

【酒】より

… 日本の酒税法では,酒は〈アルコール分1度(容量比で1%)以上の飲料〉と定義され,液体に限らず糖類でアルコールなどの分子をくるんだ粉末状のものも酒とみなされるが,みそ,しょうゆのようにアルコールを1%以上含むものであっても嗜好(しこう)飲料として供しえないものは酒から除外されている。
【酒の種類】
 酒は,製造法のうえから醸造酒,蒸留酒,混成酒の3種に分類されるが,日本の酒税法では清酒,合成清酒,焼酎,みりん,ビール,果実酒類,ウィスキー類,スピリッツ類,リキュール類,雑酒の10種類に分類される。なお酒税法上の種類名を製品に表示することが義務付けられている。…

【酒造業】より

…酒造法(1953公布)で決められている酒類(アルコール分を1%以上含む飲料および溶かした場合アルコール1%以上となる粉末)を製造する産業。 1995年度の酒類の出荷量(課税移出量)をみると,清酒130万kl,焼酎(しようちゆう)68万kl,ビール698万kl,ウィスキーおよびブランデー18万kl,果実酒類17万kl,その他合成清酒,みりん,リキュールなどで,総出荷量は1000万klとなっている。 現在の産業構造の特徴としては,ビール,ウィスキーといった明治以降に日本で本格的に製造されるようになった洋酒類は,少数の大企業によって近代的な大工場で生産・販売がなされ,寡占化が進んでいるが,清酒,焼酎(とくに乙類)など江戸期以前からある酒類については,大企業もあるが多くは多数の小企業によって製造されていることである。…

【中国酒】より

…(7)その他 ここに区分されるものはおもに外国起源の酒で,洋酒としている文献もある。白蘭地(ブランデー),威士忌(ウィスキー),金酒(ジン),俄斯克(ウォッカ),蘭母酒(ラム)などで,これらのうち烟台の金奨白蘭地は歴史も古く,全国名酒に数えられている。【鈴木 明治】。…

※「ウィスキー」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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