ウイット(英語表記)wit

翻訳|wit

デジタル大辞泉 「ウイット」の意味・読み・例文・類語

ウイット(wit)

気のきいた会話文章などを生み出す才知機知。とんち。「ウイットに富んだ会話」
[類語]機知頓知機転エスプリユーモア

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精選版 日本国語大辞典 「ウイット」の意味・読み・例文・類語

ウイット

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] wit ) その場に応じて気のきいたことを言ったりしたりする才知。機知。気転
    1. [初出の実例]「バローの著名なる句も明かに機智(ウイット)を表し特に奇警に適する者なり」(出典:修辞及華文(1879)〈菊池大麓訳〉一般文体の品格を論ず)
    2. 「それから甘い歓語を出すだけの機才(ウヰット)を持ち合してゐた」(出典:或る女(1919)〈有島武郎〉前)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ウイット」の意味・わかりやすい解説

ウイット
ういっと
wit

機知、頓知(とんち)、才知。ウイットとは本来知力のことだったが、イギリスにおいて17世紀ごろから、当意即妙な発想を意味するようになった。とりわけダンの詩には鋭い奇想が随所にみられ、それがウイットの典型となった。18世紀には理性と想像力をともにしたきわめて都会的、文明的でしゃれた発想のことをいうようになり、アディソンエッセイ、ロチェスター伯の詩などにその優れた例をみるが、ややもすればポープの詩やスウィフト散文にみられるように、辛辣(しんらつ)さを加えて風刺に流れる傾向が生じた。コールリッジによれば、ユーモアは本質的におかしさにかかわるが、ウイットは驚きを伴い、非個性的な知性より生じるものであるという。

[船戸英夫]

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