431年、小アジアのエフェソスEphesos(エペソ)で開かれたキリスト教会の第3回公会議。いわゆるネストリウス論争の解決のため、東ローマ皇帝テオドシウス2世によって招集された。ネストリウス(コンスタンティノープルの総主教)は、キリストには神人二つの人格ないし実体があると主張、また当時広く用いられて東方世界で問題化していた「神の母(テオトコス)」というマリアの呼称に反対したため、キリロス(アレクサンドリアの総主教)によって激しく論難され、この会議で異端の宣告を受けた。この会議では、キリストの位格(ペルソナ)について神人一体であること、マリアは神の母であることが決定された。
[菊地栄三]
『H・I・マルー著、上智大学中世思想研究所監訳『キリスト教史2 教父時代』(1980・講談社)』
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…なお,《ヨハネの黙示録》12章はマリアよりも教会のイメージだと考えられている。古代教会においてマリア論がキリストの本性と役割の明確化への要求とともに発達したことは,キリスト論の重大な決定を行ったエフェソス公会議(431)がマリアを〈キリストの母〉とは言えても,〈神の母〉とは言えないとしたネストリウスの異端に反発して招集されたことからもうかがわれる。16世紀のプロテスタント間の〈和協信条〉(1577)ではマリアが〈神の母〉と宣言されているにもかかわらず,プロテスタント側からの攻撃に対するカトリックの弁明の必要から,以後マリア論が専門分野にまで発達し,近代における教皇による二つの重要なマリアに関する教義の宣言を生み出すようになる。…
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