エマーソン(読み)えまーそん(その他表記)Peter Henry Emerson

精選版 日本国語大辞典 「エマーソン」の意味・読み・例文・類語

エマーソン

  1. ( Ralph Waldo Emerson ラルフ=ウォルドー━ ) アメリカの思想家、詩人。ピューリタニズムとドイツ理想主義の流れをくみ、超絶主義を唱える。代表作「自然論」「エッセイ集」「偉人論」など。(一八〇三‐八二)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「エマーソン」の意味・わかりやすい解説

エマーソン
えまーそん
Peter Henry Emerson
(1856―1936)

キューバ生まれのイギリスの写真家。自然主義写真の主唱者。高等教育を受けるため1869年に家族とともにキューバからイギリスへ移住。ケンブリッジ大学のキングズ・カレッジやクレア・カレッジで医学、外科療法を修めた。在学中の82年ころより写真制作をはじめ、イギリス写真協会へ加入。83年に、北海へ半島状に突きでたイングランド東部ノーフォーク県やサフォーク県の一帯を初めて訪れ、その土地柄に惹(ひ)かれるようになり、大学で医学の学位を取得するが、85年医師への進路を捨て、この地の風土を題材とする写真制作と文筆に専念しはじめた。

 1880年代当時にイギリスの芸術志向のアマチュア写真家たちの間で影響力が大きかった写真家ヘンリー・ピーチ・ロビンソンの理論書『写真における絵画的効果』Pictorial Effect in Photography(1869)に代表される、文学的・宗教的寓意にもとづいた構成を好むタイプの写真美学に対し、エマーソンは真っ向から反対の立場を表明し、カメラの焦点板(すりガラス・スクリーン)に風景が像を浮かび上がらせる時のナチュラルな現前感覚を尊び、対象世界の真実を直截に探求していくべきだとした。また、レンズの視界全体を等しく鮮明に輪郭描写するのではなく、視覚の中心となるポイントに焦点をあて、周縁部分をぼかし気味に表現するディファレンシャル・フォーカシング(差異をはらむ焦点法)の撮影技法を追求し、写真に肉眼による瞬間の知覚に近い感触を吹きこむことを模索した。こうした撮影実践に基づく理論上の主張は、著書『芸術を学ぶ人のための自然主義写真術』Naturalistic Photography for Students of the Art(1889)にまとめられた。同書は「ティーパーティーの中に落とされた爆弾」と評されるほどに、当時のイギリスの写真雑誌等で活発な論議をよび起こし、絵画主義(ピクトリアリズム。絵画の主題や手法に準じる写真の様式。19世紀末から1920年代にかけて欧米や日本で広く流行した)的志向をもった若い写真家たちからも多くの追随者が現れることになった。しかし、エマーソン自身はその後、写真感材における露光量とトーン表現の関係をめぐるフレデリック・ハーターFrederick Hurter(1844―98)とチャールズ・ドリッフィールドVero Charles Driffield(1848―1915)の実証的な研究に接したことをきっかけに、写真印画のもつ表現力に限界を覚えるようになり、91年に私費で黒枠付きのパンフレット『自然主義写真の死』The Death of Naturalistic Photographyを発行、写真は一級の芸術表現となりえないという否定的見解をその中で表明した。

 実作者としてのエマーソンは、画家トマス・グッドールThomas Goodall(1822―1904)との共著の作品集『ノーフォーク・ブローズの生活と風景』Life and Landscape on the Norfolk Broads(1886)を第一作として、『イースト・アングリアの生活の眺め』Pictures of East Anglian Life(1888)、『沼地の葉』Marsh Leaves(1895)など8冊の写真入り出版物を残した。いずれも大小の河川や湖沼が数多く分布するノーフォーク州やサフォーク州の一帯に取材したもので、半農半漁の生活形態をもったその地の人々の暮らしぶりや風景が扱われている。収録図版にはグレートーンの厚みに特徴があるプラチナ印画法(プラチナの感光性を利用した印画法。階調が広く長期保存に優れる)やフォトグラビュール(photogravure。1879年にウィーンの印刷技術者カール・クリッチュKarl Klič(1841―1926)が考案した、連続した調子で写真を複製することができる写真製版の技法)が多く採用された。この他に彼は、同地で語り伝えられていた民間説話をあつめた書物の執筆なども手がけている。

[大日方欣一]

『Pictures of East Anglian Life (1888, Sampson Low, Marston, Searle and Rivington, London)』▽『Marsh Leaves (1895, David Nutt, London)』▽『Naturalistic Photography for Students of the Art (1973, Arno Press, New York)』▽『The Death of Naturalistic Photography (1973, Arno Press, New York)』▽『Peter Henry Emerson, Thomas GoodallLife and Landscape on the Norfolk Broads (1886, Sampson Low, Marston, Searle and Rivington, London)』▽『Peter Turner and Richard WoodPeter H. Emerson; Photographer of Norfolk (1974, Gordon Fraser, London)』▽『Nancy NewhallThe Fight for Photography as a Fine Art (1978, Aperture, New York)』▽『Neil McWilliam and Veronica SekulesLife and Landscape; P.H.Emerson/Art and Photography in East Anglia (1986, University of East Anglia, Norwich)』▽『Henry Peach Robinson and Ellen HandyPictorial Effect/Naturalistic Vision; The Photogaphs and Theories of Peter Henry Emerson (1994, The Cherysler Museum, Virginia)』

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「エマーソン」の解説

エマーソン Emmerson, John K.Kenneth

1908-1984 アメリカの外交官。
1908年3月17日生まれ。1944年中国の延安で,中国共産党首脳,野坂参三,日本人捕虜らにインタビュー。これをまとめた「延安レポート」は,国務省の対日方針決定に影響をあたえる。昭和20年GHQ政治顧問として来日し,21年国務省に復帰。37年駐日公使となった。1984年3月24日死去。76歳。コロラド州出身。

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旺文社世界史事典 三訂版 「エマーソン」の解説

エマーソン
Ralph Waldo Emerson

1803〜82
アメリカのロマン主義詩人。楽天的アメリカ主義を代表する思想家
イギリスのカーライルを終生の友とし,反唯物論的理性主義を唱え,直観と本能を重視した。代表作は『自然論』『代表的偉人論』。

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