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イギリスの作曲家。楽器商の息子としてウースターに生まれ,ほとんど独学で作曲を修めた。最初の傑作《エニグマ(謎)変奏曲》(1899)は,イギリスの管弦楽曲を初めて国際的に認めさせた作品であり,合唱曲《ジェロンティアスの夢》(1900)も好評を博した。20世紀初頭におけるイギリス音楽の復興を成しとげ,パーセルの没後200年にわたるイギリス作曲界の空白を埋めた功績は大きい。ほかに序曲《ロンドンの下町》(1901),行進曲《威風堂々》全5曲,弦楽合奏曲など多数。その書法は緻密(ちみつ)な職人芸によって書きこまれ,温かい人間味と内向的な憂愁は聴き手に慰めを与える。第2次世界大戦後のイギリスで盛んな復活を示していた。
執筆者:三浦 淳史
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イギリスの作曲家。ブロードヒル(ウースター近郊)の教会のオルガン奏者の父親から音楽の手ほどきを受けたが、作曲はほとんど独学で習得。初め地方音楽家として働いていたが、やがて作曲家として活動を開始し、管弦楽曲『エニグマ(謎(なぞ))変奏曲』(1899)、オラトリオ『ジェロンティウスの夢』(1900)などによってその地位を確立した。とくに後者はリヒャルト・シュトラウスによって賞賛され、ヨーロッパ大陸にも彼の名は知られるに至った。エルガーの本領は、合唱を用いたオラトリオやカンタータなどにあるが、交響曲や協奏曲などの管弦楽作品に手腕を発揮している。その音楽はワーグナーやブラームスなど後期ロマン派の作曲家の影響を受けているが、親しみやすい旋律と巧みな職人的技巧によって高貴な人間感情をうたいあげ、イギリス国民の高い評価を受けるとともに、世界中で親しまれている。行進曲『威風堂々』(5曲のうち、1902年のエドワード7世戴冠(たいかん)式に用いられた第1番がもっとも有名)はとくに知られている。
[寺田兼文]
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