オナガカンアオイ(尾長寒葵)(読み)オナガカンアオイ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説

オナガカンアオイ(尾長寒葵)
オナガカンアオイ
Asarum minamitanianum

ウマノスズクサ科常緑多年草。宮崎県日向市付近のごく限られた地域に産する。葉は長さ約 10cm,幅6~9cmほどの卵状三角形で,表面にしばしば雲紋状の斑をもつ。4~5月頃,落ち葉に埋るような根ぎわに花をつける。花弁は退化し,が扁球形の萼筒をつくり,先は3裂する。各裂片の先は長さ 10cmに達するほど細長く尾状になるので,この名がある。萼筒は紫褐色で,内壁には高く隆起した縦ひだがある。花柱は6本で中央に直立し,そのまわりに 12本のおしべをもつ。

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日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

オナガカンアオイ
おながかんあおい / 尾長寒葵
[学] Asarum minamitanianum Hatusima

ウマノスズクサ科(APG分類:ウマノスズクサ科)の常緑の多年草。葉は暗紫色の長い柄(え)をもち、楕円(だえん)形あるいは卵形で、基部は心臓形となる。萼筒(がくとう)は上部が著しくくびれて壺(つぼ)状となり、内側には縦のひだが通っている。萼裂片は黒紫色で白い縁(ふち)どりがあり、長く鞭(むち)状に伸び10センチメートルほどにまで達する。花期は4~5月。宮崎県日向(ひゅうが)市周辺に生育する。

菅原 敬 2018年7月20日]

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