オリノコ川(読み)オリノコガワ(英語表記)Río Orinoco

デジタル大辞泉 「オリノコ川」の意味・読み・例文・類語

オリノコ‐がわ〔‐がは〕【オリノコ川】

Orinocoベネズエラ中央を東流する川。ギアナ高地のブラジル国境付近に源を発し、下流で大デルタを形成して大西洋に注ぐ。長さ2500キロ。

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精選版 日本国語大辞典 「オリノコ川」の意味・読み・例文・類語

オリノコ‐がわ‥がは【オリノコ川】

  1. ( オリノコはOrinoco )南アメリカ北部、ギアナ高地に源を発し、ベネズエラを貫流して、大西洋に注ぐ川。

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改訂新版 世界大百科事典 「オリノコ川」の意味・わかりやすい解説

オリノコ[川]
Río Orinoco

南アメリカ北部,ベネズエラを流れる川。全長2060km,流域面積94万4000km2支流まで含めた流域はベネズエラの国土の75%におよぶ。ギアナ高地南部のブラジルとの国境をなすパリマ山脈南端に源を発し,熱帯雨林地帯を通ってコロンビアとの国境を大きな弧をえがいて北西から北へ向きを転ずる。アンデス山脈からの大支流メタ川,アプレ川を合流したのちしだいに東流し,ベネズエラ中部のリャノと呼ばれるサバンナ地帯を通って大西洋に注ぐ。一般に緩流するため雨季には氾濫しやすく,内陸には沼沢地が多い。河口から約110kmのバランカスより下流では多くの河川に分岐し,広大な湿地性のデルタを形成している。上流のドゥイダ山の南方ではカシキアレ川が分流し,アマゾン川支流のネグロ川に合流してオリノコ水系とアマゾン水系を結ぶ天然の運河となっている。水量が豊富で河口から約1600km上流まで航行可能である。外洋航行船はシウダド・ボリーバル(河口から約435km)まで航行できる。1498年コロンブスの第3次航海の際オリノコ河口が発見され,1560年エル・ドラドを目ざしたスペイン人コンキスタドール,ロペ・デ・アギレが川の大部分を探検したとされる。その後1799年にはドイツの博物学者アレクサンダー・フォンフンボルトが上流域を調査し,アマゾン川との連絡点を発見したが,源流域が突き止められたのは1950年代になってからである。中・下流域は冬季には北東貿易風の影響で著しく乾燥するが,夏季には多量の雨が降る。このため水量は季節によってかなり変動する。流域では牧畜が主産業であるが,上記の気候条件のために開発には多くの困難を伴う。水産資源に恵まれており小漁船が操業している。下流には鉄鉱石産地があり,セロ・ボリーバル鉱山は有名。流域は人口が少なく開発がおくれていたが,ダム建設,石油資源の開発によって次第に変貌しつつある。沿岸の中心都市はシウダド・ボリーバル。
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世界大百科事典(旧版)内のオリノコ川の言及

【ラテン・アメリカ美術】より

…エクアドルでは前3000年ごろのバルディビア文化以来土器の伝統が長く,チョレラ,グアンガラ,エスメラルダスなどの地方様式が生まれている。 オリノコ川やアマゾン川流域の熱帯低地ではメソアメリカからアンデスにかけての高文化地域に比べ見劣りがするが,バランコイド,マラジョアラ,サンタレンなどの文化伝統のもと,手のこんだ装飾土器が作られた。また16世紀のアマゾン中流部では,彩色土器が作られ,その見事さはスペイン人を驚かせている。…

※「オリノコ川」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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