オルドス青銅器(読み)オルドスせいどうき

百科事典マイペディア 「オルドス青銅器」の意味・わかりやすい解説

オルドス青銅器【オルドスせいどうき】

中国,内モンゴル自治区中南部のフフホト付近一帯(旧綏遠(すいえん)省),およびオルドス地方の広大な砂漠草原地帯に分布する青銅器で,綏遠青銅器ともいう。小型利器,馬具,革金具など各種あり,馬,シカヤギなどの動物意匠に特徴がある。中国の戦国時代春秋戦国時代),シベリア・ミヌシンスクのタガール文化に並行する。遊牧民族(おそらく匈奴(きょうど))が前700年―後200年に使用したものと考えられている。

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世界大百科事典 第2版 「オルドス青銅器」の意味・わかりやすい解説

オルドスせいどうき【オルドス青銅器】

中国,内モンゴル自治区オルドス地方を中心として発見される青銅器。綏遠(すいえん)(現,フフホト市)の名をとって綏遠青銅器と呼ばれることもある。しかしその分布地域はオルドス地方だけには限られず,中国東北地方北部,モンゴリア長城地帯など広い地域から発見される。南シベリアの青銅器文化(カラスク文化)や,初期鉄器文化(タガール文化)と特に関連が深く,その担い手は中国北辺の牧畜民であったと考えられている。短剣,闘斧,斧,内反りの刀子,鏃などの武器や工具,馬具,さまざまな飾金具,そして鍑と呼ばれる煮沸用容器などが知られているが,いずれも携帯に便利な小型・軽量のものが多い。

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