精選版 日本国語大辞典 「オーク」の意味・読み・例文・類語
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ブナ科(APG分類:ブナ科)コナラ属の総称。コナラ属にはシラカシ、アカガシなど常緑樹を主とするサイクロバラノプシス亜属と、コナラ、ミズナラなどの落葉樹を主として、ウバメガシ、コルクガシなどの常緑樹を含むレピドバラヌス亜属、そのほか、常緑と落葉のあるエリスロバラヌス亜属とがある。果実は、開花したその年の秋に成熟するものと翌年の秋に成熟するものとがあり、球形または楕円(だえん)形の堅果で、下半部ないし基部が総包葉(殻斗(かくと))で包まれる。材質が堅硬で、弾性のある良材となるものが多く、オーク材とよばれ、家具や器具をつくるのに用いる。ウイスキーやぶどう酒の醸造用の樽(たる)材に使われ、薪炭(しんたん)材、シイタケ原木などにもする。
[小林義雄 2020年1月21日]
古代ギリシアでは、オークは最初に神々によりつくりだされた木とされ、「母なる木」とよばれた。ローマ、スラブ、ゲルマン、ケルト、アイルランドの神話にも登場し、聖なる木として崇拝され、神事に使われた。これは、この木が食料や材として重要な役目を果たしたからであろう。ローマ人や北欧の海賊バイキングなどの船材とされ、帆船時代のイギリス艦隊もオークで船を建造した。かつてその炭は火薬に使われ、イギリスでは実のどんぐりをブタの飼料にした。
[湯浅浩史 2020年1月21日]
出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報
…その中心となるのは,コナラ属Quercusアカガシ亜属の数種である。日本ではオーク(英名oak)をカシと訳すことが多いが,ヨーロッパのものはコナラ属コナラ亜属の広葉樹で,ナラと呼ぶ方が近い。 アラカシQ.glauca Thunb.(英名blue Japanese oak)(イラスト)は最も普通なカシで,枝葉の武骨な様子から,その名がある。…
…ミズナラの材はコナラ属Quercusの材の総称であるナラ材のうち,世界一優秀なものといわれる。 コナラ属Quercusは世界に約500種あり,ヨーロッパでoakといわれるものもこれに属する。いずれも材は堅く有用であるが,利用は分類群により少しずつ異なっている。…
…ブナ科コナラ属Quercusのうち落葉性のコナラ亜属樹種が一般にナラ類と総称される。英語のオークもふつうは落葉性のナラ類をさすが,常緑性の種も含むコナラ属全体を意味することもある。しかし日本でナラといえば,ミズナラおよびコナラ,ときにナラガシワQ.aliena Blumeを含めたものをさし,炭焼きや林業家も同じコナラ亜属のカシワあるいはクヌギおよびアベマキなどとは区別している。形態的にも顕著な違いがあり,ミズナラやコナラは葉が倒披針形で,どんぐりが1年で熟し殻斗の鱗片は短く覆瓦状であるが,カシワは殻斗の鱗片が長く葉も大きい。…
…その中心となるのは,コナラ属Quercusアカガシ亜属の数種である。日本ではオーク(英名oak)をカシと訳すことが多いが,ヨーロッパのものはコナラ属コナラ亜属の広葉樹で,ナラと呼ぶ方が近い。 アラカシQ.glauca Thunb.(英名blue Japanese oak)(イラスト)は最も普通なカシで,枝葉の武骨な様子から,その名がある。…
…木工にとって重要なろくろ技術はメソポタミア地方の古代国家の家具に多くみられるため,この技術の発生地はメソポタミア地方とされている。イギリスの家具史研究家パーシー・マッコイドは家具の歴史を,使用された木材から〈オーク(ナラ,カシ)の時代 1400‐1660年〉,〈ウォルナット(クルミ)の時代 1660‐1720年〉,〈マホガニーの時代 1720‐70年〉,〈サテンウッドの時代 1770年~19世紀初期〉と時代区分している。19世紀中期以後は主役をなす木材はなく,家具の使用目的に応じて多種多様な木材が使われるようになった。…
…というのは,P.C.タキトゥスが〈森林に覆われうす気味の悪い〉と伝える中部ヨーロッパは,民族大移動の時代以来,森林面積が約1/3に減ったと推定されるからであり,しかも開墾のおもな対象となったのは,山地および高緯度の針葉樹林ではなく,肥沃な平地の広葉樹林帯だったからである。例えば東ヨーロッパに現在比較的残されているオークとブナ類(シデなど)の混交林は,かつては北ドイツ,デンマーク,ベルギー,イギリスといった,今日比較的森林に乏しい地域にまで広がっていたのだが,今ではすっかり姿を消し,ヨーロッパアカマツがかろうじてその代役を務めている。カバノキ,トネリコ,ポプラ,ときにはオークとすら混交林をなすほど適応性の強いヨーロッパアカマツは,かつてのヨーロッパの代表的樹木ヨーロッパブナにかわって,今日ヨーロッパで最も広範囲に見られる樹種である。…
※「オーク」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
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