精選版 日本国語大辞典 「カオス」の意味・読み・例文・類語
カオス
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ギリシア神話で、宇宙開闢(かいびゃく)のとき真っ先に生じた「原初の巨大な空隙(くうげき)」のこと。ヘシオドスの『神統記』によれば、これに続いてガイア(大地)とタルタロス(奈落(ならく)の底)とエロス(愛)が生じ、カオスはエレボス(闇(やみ))とニクス(夜)を生んだ。カオスは、あらゆる生(な)り出(い)ずるものの素(もと)と生成へのエネルギーを内に秘めた生成の場としての空隙のことであって、中国神話における混沌(こんとん)や、無秩序という意味での混沌と同一視するのは正確ではない。
[中務哲郎]
(尾関章 朝日新聞記者 / 2007年)
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〔宇宙観の変遷〕
欧米語で宇宙に相当する基本概念は,〈コスモス〉であるが,この語はギリシア語のkosmosに由来する。元来は〈秩序〉,もしくは〈秩序正しい状態〉を意味し,カオスchaos,すなわち〈混沌〉に対立する。古代ギリシアにおいて,神話的な世界創成はヘシオドスの《神統記》までさかのぼることができるが,そこでは,すべてに先立ってカオスが設定されており,その生成は不問のままである。…
…数学的現象の名称。人口や生物の個体数の時間的変化を記述する数学のモデルの歴史を考えてみよう。T.R.マルサスの法則(1780)はu(t)を時刻tでの個体数として,微分方程式du/dt=Auで記し,この解としてuはtの指数関数exp(At)となる。Aは正のとき増殖率と呼ばれ,時間がたてば人口または個体数は無限に増えつづける。つぎに出たモデルはベルハルストP.F.Verhulstが1838年に,アメリカの人口増加のモデルとして提案したもので,ε,hを正の定数とすればdu/dt=(ε-hu)uと書かれる。…
…ローレンツ方程式の非線形性はごく簡単なものであるが,それにもかかわらず可変パラメーターr(レーリー数に相当)を正の小さな値から増大させていくと,不動点(X=Y=Z=0)が不安定となり,ついには非周期運動が現れることを見いだし,ローレンツはこれをもって乱流状態を説明するものとしたのである。のち,このような解はカオスchaosと呼ばれて非線形力学系に普遍的な現象であることがわかってきた。
[ポピュレーション・ダイナミクスpopulation dynamics]
一種または数種の集団X,Y,……において,各集団を構成する個体の数が環境の作用や集団相互の交渉により変化する場合,そのような個体数の消長を調べる方程式は非線形力学方程式となり,化学反応論,集団生物学,社会学などに役だっている。…
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〔宇宙観の変遷〕
欧米語で宇宙に相当する基本概念は,〈コスモス〉であるが,この語はギリシア語のkosmosに由来する。元来は〈秩序〉,もしくは〈秩序正しい状態〉を意味し,カオスchaos,すなわち〈混沌〉に対立する。古代ギリシアにおいて,神話的な世界創成はヘシオドスの《神統記》までさかのぼることができるが,そこでは,すべてに先立ってカオスが設定されており,その生成は不問のままである。…
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[宇宙の生成]
幾種かの宇宙生成神話が伝えられるうちで,もっとも規範的なのはヘシオドスの語るもので,ここでは神々も宇宙も生まれ出てくるものと構想される。最初は空虚を意味するカオスが,ついでガイア(大地)とその奥底なるタルタロスが,さらにいわばいっさいの生成の根源力としてエロスが生じた。カオス(中性名詞)からは形なきものどものエレボスErebos(闇)とニュクスNyx(夜)とが,そして夜から輝く上天の気アイテルAithērとヘメラHēmera(昼)とが生まれる。…
…もちろんアリストテレスも言うように,一という語にはさまざまの意味があり,したがって一なるもの,一つの全体,一つの宇宙と言っても,それぞれの哲学において異なった姿を見せているのだが,ギリシア哲学のこの一への志向はどう説明したらよいのだろうか。例えばヘシオドスの神話的な宇宙論では,そもそもの初めに〈カオス〉があったとされている。そしてカオスからまず大地母神が生まれてくる次第になっているが,もしカオスという語のもとに〈カスケインchaskein〉(〈あくびをする〉の意)という動詞を想定することができれば,〈初めにあくびありき〉,言いかえれば〈初めに分裂ありき〉ということになるだろう。…
…また,物事が混然としてひとつになっているさま。ギリシア語のカオスに相当する。中国では,渾沌,渾敦,倱仛,渾淪などと表記されることもある。…
… 錬金術では,エジプト語のkhemet(黒い土)という言葉のもつ神秘性,万物がそこから生まれる聖なる始源という意味が重要である。古代ギリシアでも,ヘシオドス(前700ころ)の創世神話に登場する始原のカオス(混沌)は幽冥の世界であった。そしてそこから生まれる暗黒のニュクス(夜)が光り輝く神的な宇宙秩序の母だとすれば,ここでも暗黒はすべての〈初め〉として畏敬を払われていたことになる。…
…ローレンツ方程式の非線形性はごく簡単なものであるが,それにもかかわらず可変パラメーターr(レーリー数に相当)を正の小さな値から増大させていくと,不動点(X=Y=Z=0)が不安定となり,ついには非周期運動が現れることを見いだし,ローレンツはこれをもって乱流状態を説明するものとしたのである。のち,このような解はカオスchaosと呼ばれて非線形力学系に普遍的な現象であることがわかってきた。
[ポピュレーション・ダイナミクスpopulation dynamics]
一種または数種の集団X,Y,……において,各集団を構成する個体の数が環境の作用や集団相互の交渉により変化する場合,そのような個体数の消長を調べる方程式は非線形力学方程式となり,化学反応論,集団生物学,社会学などに役だっている。…
…もちろん,分析的手法をまったく拒否しているのではなく,それを(暗黙のうちにでも)認めたうえで複雑系の研究は進められている。 例えば,カオスは,このような非線形力学系にありふれた現象である。カオスとは,あるシステムが〈ある時点での状態(初期状態)が決まればその後の状態が原理的にすべて決定される〉という決定論的法則に従っているにもかかわらず,非常に複雑で不規則かつ不安定な振舞いをして,遠い将来における状態が予測不可能な現象のことである。…
※「カオス」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
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