語源はラテン語のcasa(郊外の小邸宅)。イタリア語で部屋または舞踏室を指す言葉として使われ,後に集会所,娯楽場や,軍隊用語で将校集会所を示す語となり,そこで賭博が興じられたことから今日では賭博場をいう。カジノの原型は,イギリスで1526年から2世紀半続いた,バッキンガム宮殿内の王室と貴族のための賭博室である。フランスでも16世紀末にアンリ4世により宮廷内に賭博室がつくられた。近世になって,賭博禁止令があったにもかかわらず,イギリスで1764年に貴族と紳士の賭博享楽を目的とした会員制社交場がつくられた。ここからしだいに社交クラブの形式で公然と賭博が行われるようになった。19世紀にはドイツのバーデン・バーデン,フランスのカンヌ,アメリカのサラトガなどに著名な賭博場がつくられた。現在では,観光や外貨獲得の目的で開設を公認している国や地方自治体も多く,モナコのモンテ・カルロ(1861創立),アメリカのネバダ州ラス・ベガス(1931創立)などが大規模で世界的に有名である。カジノにはルーレット,カード賭博,さいころ賭博の設備が備えられ,賭博機械が設置されている。客同士が賭ける場合もあるが,経営者側が賭博を主催するのが普通である。遠方での競馬の馬券やドッグレース券を買えるカジノもある。なお,カジノで行われるカード遊びの意味から転じて,〈カジノ〉という名称のイタリア起源のカードゲームがある。
執筆者:増川 宏一
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
突発的に発生し、局地的に限られた地域に降る激しい豪雨のこと。長くても1時間程度しか続かず、豪雨の降る範囲は広くても10キロメートル四方くらいと狭い局地的大雨。このため、前線や低気圧、台風などに伴う集中...