カバ(英語表記)Hippopotamus amphibius; hippopotamus

デジタル大辞泉 「カバ」の意味・読み・例文・類語

カバ(〈スペイン〉cava)

スペインカタルーニャ原産の発泡性ぶどう酒。シャンパンと同様に、瓶の中で二次発酵させてつくる。
[類語]ワイン赤ワイン赤葡萄酒白ワイン白葡萄酒ロゼシャンパンシェリー

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「カバ」の意味・わかりやすい解説

カバ
Hippopotamus amphibius; hippopotamus

偶蹄目カバ科。体長 4.6m,体高 1.5m,体重 4tになるといわれる。体はほとんど裸出しており,短い剛毛が散生する。体色は赤褐色ないし暗褐色で,体下面は桃色を帯びる。頭部は大きく,体が水中に没しても,耳,眼,鼻孔だけを水面に出すことができるようになっている。陸上で皮膚から赤色の分泌液を出すことがある。夜行性で,水辺草地で草を主食として生活する。妊娠期間は 230~240日。1産1子で,3~5kgの子を産む。子は水中で乳を飲む。かつてはナイル川にも生息したが,現在はサハラ砂漠以南のアフリカにのみ分布する。なお,現生のカバ科 Hippopotamidaeには,本種とコビトカバの2種が含まれるのみである。

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世界大百科事典 第2版 「カバ」の意味・わかりやすい解説

カバ【kava】

オセアニア地域で広く飲用されている麻酔性飲料。カバはコショウ科の草本性灌木カバPiper methysticum Forst.からつくられる。ポリネシアではカバ,アバアワミクロネシアポナペ島ではシャカオとよばれる。メラネシアバヌアツフィジーでもカバを飲む習慣がある。カバはもともと伝統的な儀礼や行事の際に飲用された。とくにポリネシアでは,カバの作り方,飲み方,飲む順番などに,日本の茶の湯におけるような厳しい作法がある。

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飲み物がわかる辞典 「カバ」の解説

カバ【Cava(スペイン)】


スペイン北東部のカタルーニャ地方に産する、白またはロゼのスパークリングワイン。カタルーニャ地方の醸造家コドルニュー家のホセ・ラベントスがシャンパンの製法を学び、1872年につくりはじめたとされる。辛口の銘柄が多い。◇「(地下の)酒蔵」の意。長期間熟成させる製法から。

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世界大百科事典内のカバの言及

【嗜好品】より

…南アメリカでは酒類をつくるとき,発酵をうながすため原料をあらかじめ嚙んで,つぼの中にはき,それに水をそそいで酒をつくる風習があり,トウモロコシやマンディオカ(キャッサバ)からこのようにして酒をつくる。これと同じ方法で,ポリネシア人はカバPiper methysticum(コショウの1種)の木の根や葉からカバという飲物をつくる。この飲料はふつうアルコールは全然ふくんではいないが,軽い快感をもよおす成分をふくんでいる。…

【醸造酒】より

…世界の国々にはおおむねそれぞれ伝統的な醸造酒がある。代表的なものには,日本の清酒,中国の紹興酒(しようこうしゆ),フランスその他のブドウ酒やリンゴ酒,ドイツ,イギリスなどのビールなどがあり,ほかにヤシの樹液でつくる東南アジアのトディ,ウシ,ウマ,ヒツジ,ヤギなどの乳でつくるモンゴル,カフカスその他のクミズやケフィール,コショウ科低木の根を原料とするポリネシアのカバなども知られる。 醸造酒は単発酵酒と複発酵酒に大別される。…

【ポリネシア人】より

…衣服はクワ科植物の内皮をたたきのばしたタパtapaと呼ばれる樹皮布が織布の代りに用いられ,すぐれた品質をもっていた。ポリネシアではアルコール性飲料は知られず,コショウ科の植物からつくられたカバは麻酔性があり,首長の会合などのとき特別な作法で飲まれた。このような会合の場合,人々はたくさんの食物を首長に献じたが,これら食物は首長が独占するのではなく,人々に再分配されなければならず,この再分配を専門職とするものがいた。…

※「カバ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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