精選版 日本国語大辞典 「カム」の意味・読み・例文・類語
カム
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特殊の輪郭をもっている原動節と、ナイフエッジ・ローラーのような簡単な形状の接触子をもつ従動節との接触によって、従動節に所要の周期的変位を与える装置。簡単な構造で複雑な運動を導くことができるので利用範囲は広く、各種加工機械や作業機械などに使用されている。また自動機械の複雑な運動を得るためにも多数のカムが必要である。
カムはその輪郭または溝が平面曲線でできている平面カムと、空間曲線でできている立体カムとに大別できる。
〔1〕平面カム もっとも普通に用いられている板カムは、従動節を押し上げるだけで、引き下げるのには重力によるか、あるいはばねの力を使う。内燃機関の吸排気弁を動かすのにこの種のカムが使用されている。輪郭がハート形をしているものをハートカムという。これは等速回転運動を等速往復直線運動に変えるものである。またハートカムは、その中心に向かって従動節を押し付けると、従動節はつねにハート形のくぼんだ位置にくるので、従動節を押し付けたときのハートカムの位置は一定である。これを利用して、ストップウォッチのように針をゼロの位置に戻すのに利用されている。平面カムで溝をつけ従動節を溝に沿って動くようにした溝カムは、従動節を確実に押し上げ、また引き下げることができる。このようなカムを確動カムという。
平面カムの種類は多いが、例としていくつかあげると次のようなものがある。(1)砕石機、米搗(こめつ)き機などの杵(きね)を上下させるために突起をいくつかもったカム。(2)三角形状で、1回転すると枠についている棒は1回の上下運動をし、それぞれその終端で静止させるカム。すなわちカムが連続的に回転すると上下の極で静止する間欠往復運動が得られる。(3)特殊の形状をもつ山形のカムは、左右に往復運動をすると、この上にのっている従動節は特殊な上下運動をする。これは直動カムという。
〔2〕立体カム 実体カムともいう。もっとも簡単なのは斜板カムである。斜めの板の端に従動節がのっているもので、斜板が中心軸の周りに等速回転運動をすると従動節は上下の正弦運動をする。円筒の表面に溝をつけたものを円筒カムという。円筒が回転すると母線に沿って従動節は直線運動をする。また円錐(えんすい)の表面に溝をつけたものを円錐カムといい、やはり母線に沿って従動節に往復運動を与える。水平軸を取り付けた球の表面に溝をつけたものを球面カムという。水平軸の周りに球を回転させると、軸線が球の中心を通過する垂直軸に取り付けた弓状片の突起が球の溝に沿って左右に振れ動き、垂直軸は特殊な振動をする。
[中山秀太郎]
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