カリスト(ギリシア神話)(読み)かりすと(英語表記)Kallistō

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

カリスト(ギリシア神話)
かりすと
Kallistō

(1)ギリシア神話で、狩猟をつかさどる処女神アルテミスに仕えるアルカディアニンフ(あるいはリカオン王の娘)。ゼウスに見そめられて、むりやりその愛を受け、息子アルカスを産むが、純潔の誓いが破られたのを怒ったアルテミス(あるいは嫉妬(しっと)したヘラ、またはヘラの目を恐れたゼウス自身ともいう)により熊(くま)に変えられた。一方、成長したアルカスは、母とも知らずにこの熊を槍(やり)でしとめようとするが、ゼウスの計らいによりその直前に母はおおぐま座に、息子はうしかい座に変身させられたという。

(2)ギリシア神話の英雄オデュッセウスの姉妹のこと。

[丹下和彦]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

メタン

化学式 CH4 。最も簡単なメタン系炭化水素で,天然ガスの主成分をなしている。また石炭ガスにも 25~30%含まれる。有機物の分解,たとえばセルロースの腐敗,発酵の際に生成され,沼気ともいわれる。また...

メタンの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android