カルナータカ(読み)かるなーたか(英語表記)Karnataka

日本大百科全書(ニッポニカ) 「カルナータカ」の意味・わかりやすい解説

カルナータカ
かるなーたか
Karnataka

インド南部デカン高原上に広がる州。面積は19万1791平方キロメートルで、ポルトガルの2倍ほどもある。人口5273万3958(2001)、6109万5297(2011センサス)。カンナダ語を使用する地域をまとめて1956年に成立、1973年までマイソール州とよんだ。州域は海岸平野地帯、マルナド地帯、マイダン地帯に三大区分される。海岸平野地帯は、熱帯モンスーン気候の低湿地で、年平均気温は24~31℃と暑く、年降水量も3000ミリメートル以上となり、一面が水田ヤシに覆われる。港湾都市マンガルール(マンガロール)が、地域の経済活動の中心である。マルナド地帯は、東西に45~100キロメートルの幅で南北に延びる西ガーツ山脈地帯で、西斜面で2500ミリメートル、東斜面で1000ミリメートル以上の降水がある。山地は高級家具用のローズの木(紫檀(したん))を中心に有用木材の産地として知られ、国有林が広がり、盆地では米作が盛んである。マイダン地帯は、西ガーツ山脈の東側に広がるデカン高原の一帯で、北部に向かってやや低く、標高約600メートルから南に向かって約1500メートルまで高度を増す。気温は冬の平均21℃から夏の32℃までで比較的しのぎやすいが、年降水量が300~600ミリメートルと少なく、農業開発に課題が多い。キビ類の耕作は、このマイダン地帯でもっとも盛んであり、世界的に最高度の技術体系を完成させている。大規模河川の灌漑(かんがい)開発を意欲的に進め、北では1950年代にクリシュナ川上流を開発してツンガバドラ用水路網を完成した。南ではカーベリ川を利用した用水路網が1930年代以降整備され、乾燥地域の一部が緑野に変わった。灌漑地域では、キビ畑が稲作とサトウキビ畑に変化し、農村経済の向上が著しい。州都ベンガルールバンガロール)は、南インドのデカン高原上で最大の工業都市として知られる。

中山修一

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

山川 世界史小辞典 改訂新版 「カルナータカ」の解説

カルナータカ
Karnataka

南インドの州名。主にカンナダ語が話される地域。海岸平野,西ガーツ山脈,デカン高原にまたがる。14~17世紀には北部はバフマニー朝,ついでムスリム5王国が,南部はヴィジャヤナガル王国が支配した。17世紀初め,最南部にマイソール王国が成立。イギリス植民地期には,北部と海岸部はイギリスの支配下に,南部はマイソール藩王国の支配下に置かれた。インド独立後にマイソール州が成立,1973年にカルナータカ州と改名された。州都はバンガロール。

出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報

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