カレワラ(英語表記)Kalevala

精選版 日本国語大辞典 「カレワラ」の意味・読み・例文・類語

カレワラ

(Kalevala 「カレワの国=フィンランド」の意) フィンランドの英雄叙事詩。エリアス=リョンロート編。一八三五~四九年刊。同国の七~一〇世紀以来の口承歌謡集録改訂版は全五〇章二二七九五行から成る。フィンランドの独立運動に多大の影響を与えた。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「カレワラ」の意味・読み・例文・類語

カレワラ(Kalevala)

フィンランドの英雄叙事詩。全50章。エリアス=リョンロート編。1835~49年刊。古くからの口承文芸を集録したもので、雄大な構想を豊かな想像力で描いており、フィンランド独立運動の精神的支えとなった。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

百科事典マイペディア 「カレワラ」の意味・わかりやすい解説

カレワラ

フィンランドの民族叙事詩。伝承されている古代詩歌からリョンロート〔1802-1884〕が1835年集大成した(改訂版1949年)。天地創造に始まり民族指導者・予言者・吟詠詩人ワイナミョイネンの誕生,その偉業部族繁栄,マリヤッタの子である新しい英雄指導者の誕生によりワイナミョイネンがカレワの国を去るまでの物語全編50章2万2795行。フィンランド文化に多大の影響を及ぼすのみならず,世界的にも非常に評価が高い。
→関連項目カレリアカンテレキビクローンシベリウスフィンフィンランド語ロングフェロー

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「カレワラ」の意味・わかりやすい解説

カレワラ
Kalevala

フィンランドの民族叙事詩。おもにカレリア地方に伝承されていた古代歌謡,抒情詩呪文を E.リョンロート採集整理して長編叙事詩に集大成したもの。 1835年初版,49年,新資料を加えて全 50編2万 2795行の現『カレワラ』が成った。「カレワラ」とは「英雄 (カレワ) の国」の意味で,詩の主人公たちの活躍の舞台であり,フィンランドを詩的に表わしたものである。半神半人の英雄老ワイナモイネン,色好みの若者レンミンカイネン,老人との結婚を悲しみ死を選ぶ乙女アイノ,金の乙女,魔法の臼をつくる鍛冶屋イルマリネン,復讐のために生れ,かつ不運にも兄妹相姦の罪を犯し,ついに自刃する悲劇の英雄クッレルボ,悪の象徴たる北の国ポホヨラの女主人ロウヒなどをめぐってさまざまな物語が繰広げられる。音楽家シベリウス,画家ガレン・カッレラ,作家キビ,アホらに深い感銘を与え,フィンランド新ロマン主義発生の母体となった。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典 第2版 「カレワラ」の意味・わかりやすい解説

カレワラ【Kalevala】

フィンランドの民族叙事詩。医師E.リョンロートはフィンランドの東側にある辺境の地カレリアの山野を尋ね歩いて口承の叙事詩を収録し,まとめて1835年に発表したが,これを《古カレワラ》という。その絶大な反響にこたえ,さらに調査を重ねて増補改定を行い,49年に《カレワラ》の決定版を世に送った。これは50章2万2795行からなる雄大な長詩編で,何人もの農民詩人により歌い継がれてきた物語詩を編集したものである。

出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報

山川 世界史小辞典 改訂新版 「カレワラ」の解説

『カレワラ』

『カレヴァラ』

出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「カレワラ」の意味・わかりやすい解説

カレワラ
かれわら

カレバラ

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典内のカレワラの言及

【フィンランド】より

…次にペトラエウスEskil Petraeusを中心とする委員会による《決定訳聖書》(1638)は信仰面だけでなく語法の定立に大きく作用している。19世紀前半,民族主義が高揚する中で,医師リョンロートが東カレリア地方で伝承されている詩歌を採録してまとめた叙事詩《カレワラ》(1835。増補改定版1849)の発表は,フィンランド人の祖国愛を刺激し,民俗学や神話学に尽きない研究素材を与え,美術や音楽に華麗な主題を供した。…

【フィンランド語】より

…語順は自由で,たとえばpoika lukee kirjaa.〈少年が・読んでいる・本を〉では各語を入れ替えることができる。最古の文献はM.アグリコラの《ABC読本》(1543)と〈新約聖書〉訳(1548)で,19世紀にE.リョンロートにより口承の民族詩《カレワラ》(1848)が発表されて以来文化的語彙が整備され,文学が開花した。【小泉 保】。…

※「カレワラ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について | 情報

今日のキーワード

インボイス

送り状。船荷証券,海上保険証券などとともに重要な船積み書類の一つで,売買契約の条件を履行したことを売主が買主に証明した書類。取引貨物の明細書ならびに計算書で,手形金額,保険価額算定の基礎となり,輸入貨...

インボイスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android