石炭や鉱石などのばら物を積んだ貨車を,そのまま傾斜あるいは逆さまに回転させることにより,積荷を短時間に荷降ろしする装置。大規模のカーダンパーは原料産出国の積出港に多く設備されており,1時間当り7200tの荷降ろし能力をもつタンデム式(貨車2台同時処理)カーダンパーもある。原料を貨車輸送に依存する立地条件の製鉄所,石炭火力発電所,セメント工場,金属精錬工場,化学肥料工場などにおいても中小規模のカーダンパーが用いられている。カーダンパーには,側方傾転式,持上げ回転式,回転式,縦方向傾転式などの方式があるが,このうち回転式は,貨車の重心付近を中心として150~180度回転して地下ホッパーに積荷を放出するもので,消費動力も少なく,大量高速荷役にもっとも適している。
執筆者:林 文也
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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[荷役運搬機械の種類]
クレーンとコンベヤは荷役運搬機械を代表する機種であるが,それぞれにまた多くの種類があり,用途も多方面にわたる。その他の荷役運搬機械を列記すると,ばら物ヤード用の専用機械(カーダンパー,スタッカー,リクレーマー,シップローダー),貨物用エレベーター,機械式駐車装置,架空索道,構内用産業車両(フォークリフトトラック,構内運搬車,ショベルローダー,ストラドルキャリアなど)などである。また,簡易荷役用のユニットとしては,ジャッキ,ウィンチ,ホイスト,チェーンブロックなどがあり,これらは上記の各種荷役運搬機械の構成要素として利用されることもある。…
※「カーダンパー」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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