化学辞典 第2版 「カー・セル」の解説
カー・セル
カーセル
Kerr cell
カー効果を利用して,光の高速度シャッターや高周波変調に用いる装置.液体と固体の型式がある.液体型セルは図(a)のような構造をもち,ニトロベンゼンがよく用いられる.入射側偏光子と透過側偏光子を直交させ,かつ電場と45°の角にしておく.電圧(数 kV)を印加すると,だ円偏光になって暗視野は明るくなる.パルス電場ではシャッターになり,変調電場では光変調ができる.固体では,KDP(リン酸二水素カリウムKH2PO4)やADP(リン酸二水素アンモニウムNH4H2PO4)の単結晶が多く用いられ,その型式の一例を図(b)に示す.数十 MHz の光変調が可能である.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報