キチジ(喜知次)(読み)キチジ(英語表記)Sebastolobus macrochir

世界大百科事典 第2版 「キチジ(喜知次)」の意味・わかりやすい解説

キチジ【キチジ(喜知次) Sebastolobus macrochir】

カサゴ目フサカサゴ科の海産魚。魚屋ではキンキンまたはキンキの名で売られる。北海道のオホーツク海沿岸から駿河湾にかけて分布し,とくに北海道や三陸地方に多い。日本海にはいない。水深200~800mの岩礁性の海底にすむが,若齢魚はやや浅い砂泥底に多い。体高は低く眼が大きい。体は朱赤色で,背びれの中央に1個の大きな黒斑がある。頭部にはとげが多数ある。産卵期は1~6月ころで,盛期は2~4月である。卵は寒天質の卵囊に包まれ,長さ35cm,幅6.5cmほどの長円形の塊になって海面を漂う。

出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報

今日のキーワード

インボイス

送り状。船荷証券,海上保険証券などとともに重要な船積み書類の一つで,売買契約の条件を履行したことを売主が買主に証明した書類。取引貨物の明細書ならびに計算書で,手形金額,保険価額算定の基礎となり,輸入貨...

インボイスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android