オレンジの香りをもつリキュール。オランダの創製になるもので,かつて同国が領有していた南米ベネズエラ沖のキュラソー(クラサオ)島のオレンジを使ったため,この名がある。現在ではオランダ産以外のものもキュラソーの名で販売されている。本来はビターオレンジの果皮を水に浸漬(しんし)し,アルコールを加えて,蒸留,再留して造ったもので,この間,秘密の処方により香草などが加えられたが,いまはラムやブランデーを基酒とするものもある。オレンジ色のオレンジキュラソーと無色のホワイトキュラソーが代表的なものであるが,ほかに褐色,青色などのものもあり,いずれもカクテルや洋菓子に多く使われる。キュラソーの名酒とされるコアントローは,19世紀半ばにフランスのコアントローCointreau兄弟によって創製され,トリプルセック(3倍ドライの意)の名で発売されたが,非常な好評でトリプルセックを名のる類似品が続出したため,第2次世界大戦後コアントローと名を改めた。アルコール分40%。
執筆者:大塚 謙一
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クラサオともいう。オランダ領アンティル諸島の一島。面積444km2。スペイン領だったが,オランダ西インド会社が1634年に占領。1807年イギリスに奪われたが,15年のパリ条約でアルーバ島とともにオランダ領となる。1918年以来,ロイヤル・ダッチ・シェル会社が,ベネズエラ産の石油の精製,貯蔵を行っている。
出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報
…カリブ海のオランダ領アンティルに属する島。キュラソー島とも呼ばれる。面積444km2。…
※「キュラソー」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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