ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ギボンズ」の意味・わかりやすい解説
ギボンズ
Gibbons, Orlando
[没]1625.6.5. カンタベリー
イギリスの作曲家,オルガニスト。 1596年ケンブリッジ・キングスカレッジの聖歌隊に加わり,1605年以降王室礼拝堂のオルガニスト,23年からウェストミンスター寺院のオルガニストとなる。すぐれた鍵盤楽器奏者であると同時に,教会音楽,室内楽曲,鍵盤楽曲,マドリガルなどに多くの作品を生み,17世紀イギリスの最も重要な作曲家の一人。作品『ビオルのための3声のファンタジー』 (1610頃) ,『5声部のマドリガルとモテト』 (12) などがある。
ギボンズ
Gibbons, James
[没]1921.3.24. アメリカ,メリーランド,ボルティモア
アメリカのカトリック聖職者。ボルティモアの大司教 (1877) を経て枢機卿 (86) となり,次いでアメリカ・カトリック大学の設立に尽力,その初代総長となった。労働者に理解をもち,その運動を擁護。またアメリカの反カトリック世論を啓蒙するため著作活動を行なった。主著"The Faith of Our Fathers" (76) 。
ギボンズ
Gibbons, Grinling
[没]1721.8.3. ロンドン
イギリスの彫刻家。『ジェームズ2世像』などの銅像もあるが,おもに木彫建築装飾によって知られる。ハンプトン宮殿の装飾,セント・ポール大聖堂の内部装飾で有名。花鳥,木の葉などをきわめて写実的に彫刻。 1693年ウィリアム3世によって王室彫刻家に指名された。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報