クセルクセス(読み)くせるくせす(その他表記)Xerxes Ⅰ

デジタル大辞泉 「クセルクセス」の意味・読み・例文・類語

クセルクセス(Xerxes)

[?~前465]ペルシア帝国第4代の王。在位前486ころ~前465。ダレイオス1世の子。エジプト反乱鎮定、また、ギリシャにも遠征して第3回ペルシア戦争をおこしたが、サラミス海戦で敗れて帰国
ヘンデルオペラ。イタリア語名セルセ。全3幕。1737年から1738年にかけて作曲。1738年初演。が弟アルサメーネの恋人を奪おうと奸計を弄するも、失敗に終わったいきさつを描いた作品。第1幕のアリアオンブラマイフ」が有名。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「クセルクセス」の意味・わかりやすい解説

クセルクセス(1世)
くせるくせす
Xerxes Ⅰ
(?―前465)

古代ペルシアのアケメネス朝10代目の王(在位前486~前465)。ダリウス大王の子。長男ではないが、ダリウスの命により、その死後、大王となった。エジプトの反乱を鎮圧したのち、父の遺志を継ぎ、陸路に重点を置いてギリシア世界に遠征した(ペルシア戦争第2回遠征)。このとき、ボスポラス海峡にボートで架橋して軍隊を渡河させたと伝えられる。しかし、紀元前480年サラミスの海戦で敗北すると、気弱な性格のこの王は早々とアジアへ撤退し、ペルシア戦争はギリシア側の全面的勝利に終わった。帰国後クセルクセスは、いっさいの復讐(ふくしゅう)を断念し、宮殿などの建造に精力を傾け、ダリウスが未完成のまま残したスーサペルセポリスの宮殿を完成した。また、国家宗教(おそらくゾロアスター教)を普及しようとも努めた。だが、その宮廷生活は奢侈(しゃし)に流れ、宮廷内にはさまざまな陰謀が絶えず、ついに前465年、宮廷内で息子とともに暗殺された。彼以降アケメネス朝は没落への道を歩んだ。

[森 茂男]


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百科事典マイペディア 「クセルクセス」の意味・わかりやすい解説

クセルクセス[1世]【クセルクセス】

アケメネス朝ペルシア帝国の王(在位前486年―前465年)。ダレイオス1世の子。前480年父の遺志を継いでギリシア遠征(ペルシア戦争)を行ったが,サラミスの海戦に敗れた。治世後半から側近の権力抗争が激化,謀殺された。
→関連項目テルモピュライの戦ペルセポリス

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旺文社世界史事典 三訂版 「クセルクセス」の解説

クセルクセス(1世)
XerxesⅠ

前519ごろ〜前465
アケメネス朝の王(在位前486〜前465)
ダレイオス1世の子。父のあとをついでカルタゴと同盟して第3回ペルシア戦争でギリシアに遠征し,アテネを一時占領したが,前480年のサラミスの海戦と翌年のプラタイアの戦い,ミカレー岬 (みさき) の戦いで敗北した。ペルセポリス・スサに壮大な宮殿を建設。帰国後遠征を企てたが果たさず,暗殺された。

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