クラバン山脈(読み)クラバンさんみゃく(英語表記)Chuǒr Phnum Krâvanh

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「クラバン山脈」の意味・わかりやすい解説

クラバン山脈
クラバンさんみゃく
Chuǒr Phnum Krâvanh

フランス語ではカルダモーム山脈 Chaîne des Cardamomes。カルダモン山脈とも呼ばれる。カンボジア南西部にある山脈。同国の西の国境付近から南の海岸に向って,北西南東方向に約 160kmにわたって延び,南東はダンレイ (エレファン) 山脈に,北西はタイ南部の高原地帯に続く。平均標高約 1000m。最高峰はオラル山 (1813m) で,カンボジアの最高峰。夏季に南西からタイ湾を渡って吹く季節風はまずこの山脈に突当るため,その風上にあたる南西斜面では年間 4000mmをこえる降雨があり,熱帯雨林が繁茂する。内陸の平野に面する雨陰の北東斜面では年降水量は 1500mm以下に減少。密林地帯には多種にわたる熱帯野生動物が生息する。山地斜面ではカルダモンコショウが栽培される。

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