クラ地峡(読み)クラチキョウ(英語表記)Isthmus of Kra

デジタル大辞泉 「クラ地峡」の意味・読み・例文・類語

クラ‐ちきょう〔‐チケフ〕【クラ地峡】

Isthmus of Kra東南アジアマレー半島の最峡部の地峡。タイ南西部とミャンマー南端国境に近く、西のアンダマン海と東のタイランド湾を隔てる。幅約40キロメートル。古くからマラッカ海峡迂回する運河建設構想が立てられているが、実現に至ってない。

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百科事典マイペディア 「クラ地峡」の意味・わかりやすい解説

クラ地峡【クラちきょう】

マレー半島北部の地峡で,タイ南部とミャンマー南端の国境地帯に当たる。東西の幅は最狭部で約40km,地勢はほぼ低平。このため古来シャム湾からアンダマン海(インド洋)へ抜ける東西交通路として重要な意義があったことが考古学上からも実証されている。19世紀以降,運河開削が検討されている。
→関連項目タイ湾地峡

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「クラ地峡」の意味・わかりやすい解説

クラ地峡
くらちきょう
Isthmus of Kra

東南アジア、マレー半島北部のタイ南西部とミャンマー(ビルマ)南端とが接する国境付近にある地峡。マレー半島でもっとも幅が狭く、最狭部約40キロメートル。西岸のアンダマン海側のパクチャンから、東岸のタイランド湾側のチュンポンへ向けて低地および河川があり、分水嶺(ぶんすいれい)もそれほど高くない。この立地条件から、マラッカ海峡を迂回(うかい)する航路を短縮するための運河を建設する候補地となっている。

[大矢雅彦]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「クラ地峡」の意味・わかりやすい解説

クラ地峡
クラちきょう
Isthmus of Kra

マレー半島の最狭部。タイ南部,ラノーン県とチュムポン県に属する。最も狭いところは 50kmに達しない。スズの産地としても有名。古くからアンダマン海とタイ湾を結ぶ道として利用された。 1973年,アメリカフランス,日本,タイが合同で原子爆弾による運河開削を提案したが,のち中止となった。マラッカ海峡のバイパスとして運河を建設する候補地とされている。

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世界大百科事典 第2版 「クラ地峡」の意味・わかりやすい解説

クラちきょう【クラ地峡 Kra Isthmus】

マレー半島北部の地峡。タイ南部にあたり,ミャンマーとの国境に近い。最も狭い所は40kmで,ベンガル湾とシャム湾をへだてている。この地峡は古代からマレー半島横断地点として利用された。近代になって,イギリス,アメリカ,日本などで,この地峡を横断する運河開削計画がしばしば論じられている。【田辺 繁治】

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