クリプトキサンチン

化学辞典 第2版 「クリプトキサンチン」の解説

クリプトキサンチン
クリプトキサンチン
cryptoxanthin

C40H56O(552.85).カロテノイド一つ.植物の花や果実に遊離あるいはエステルとしてゼアキサンチンに伴って広く存在するが,量的には多くない.ナス科ホオズキPhysalis alkekengiの萼(がく),パパイヤ科パパイヤCarica papayaの実などを有機溶媒で抽出し,けん化,クロマトグラフィーによりほかの色素と分離精製する.菌類,けいそう類,魚卵などからも見いだされている.紫色光沢を有する赤褐色の柱状結晶.融点169 ℃.λmax 484,451,423 nm(ヘキサン).ジクロロメタン,ベンゼンに易溶,石油ベンジン,メタノールに微溶.β-カロテンの約60% の活性を有するプロビタミンAである.[CAS 472-70-8]

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

栄養・生化学辞典 「クリプトキサンチン」の解説

クリプトキサンチン

 C40H56O (mw552.89).

 オキシβ-カロチンともいう.カロテノイド色素の一つで,ビタミンA活性をもつ.

出典 朝倉書店栄養・生化学辞典について 情報

世界大百科事典内のクリプトキサンチンの言及

【カロチノイド】より

…酸素を含まないもの(炭化水素)と含むもの(アルコール,ケトン,エーテル,アルデヒド,エポキシド,カルボン酸)に大別される。前者はカロチン,リコピン,後者にはルテイン,クリプトキサンチン,ゼアキサンチン,フコキサンチン,ビキシン,ロドキサンチンがある。水に不溶で脂肪を溶かす溶剤によくとけ酸化されやすく不安定。…

【キサントフィル】より

…ホオズキ,トウガラシの実の色,卵黄,魚卵,哺乳類の卵巣の黄体などの色はこの色素による。狭義にはルテインluteinで分子式はC40H56O2であり,水酸基をもつゼアキサンチンzeaxanthin,クリプトキサンチンcryptoxanthin,ケト基を有するロドキサンチンrhodoxanthinなどが知られている。葉緑体に含まれるキサントフィル類は光合成の補助色素として,吸収した光のエネルギーをクロロフィルに伝え光合成の効率を高めている。…

※「クリプトキサンチン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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