ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「クロード」の意味・わかりやすい解説
クロード
Claude, Albert
[没]1983.5.22. ベルギー,ブリュッセル
アメリカの細胞学者。アメリカ人の両親のもとにベルギーで生れる。 1928年リエージュ大学を卒業。その後アメリカに渡り,ロックフェラー研究所 (現ロックフェラー大学) に学び,49年から 72年までロックフェラー大学教授。その間ブリュッセル自由大学教授 (1949~69) ,ジュール・ボルデ研究所所長 (48~71) もつとめる。ロックフェラー研究所でニワトリの腫瘍からラウス肉腫ウイルス (→ラウス ) を分離するため,遠心分離法を用い,通常の細胞でも内部の構造物の分離を可能にした。この方法で細胞内の小胞体を発見,ミトコンドリアの機能を解明した。 1942年に生化学分野で初めて電子顕微鏡で細胞を観察。生体細胞の構造物の分離と分析の基本手法を確立した。 74年,C.R.ド・デューブ,G.E.パラーディとともにノーベル生理学・医学賞受賞。 1941年にアメリカの市民権を取得,49年にはベルギーに戻り,2ヵ国の市民権を得た。
クロード
Claude, Georges
[没]1960.5.23. サンクルー
フランスの化学者,技術者。 1897年アセチレンガスをアセトンに溶かすことによって安全に輸送できることを発見,アセチレン工業の発展に多大の寄与をなしたほか,液体空気の量産法 (1902) ,鉄精錬への液体酸素の利用 (10) ,さらにネオンランプやケイ光ランプの原理の発見による照明技術の変革 (10~30) ,アンモニア合成法 (17) など,その業績は多岐にわたる。その他海底と海面の温度差を利用した発電の実験なども手がけている。第2次世界大戦中ビシー政府を支持し,ドイツに協力したという理由で,戦後罪に問われ,5年間投獄された。
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