ク活用(読み)クカツヨウ

デジタル大辞泉 「ク活用」の意味・読み・例文・類語

く‐かつよう〔‐クワツヨウ〕【ク活用】

文語形容詞の活用形式の一。語尾が「く・く・し・き・けれ・○」と変化するもの。これに補助活用カリ活用を加えて、「く(から)・く(かり)・し・き(かる)・けれ・かれ」とすることもある。「よし」「高し」など。連用形の語尾「く」をとって名づけたもの。情意的な意を持つものの多いシク活用に対し、客観的、状態的な意味を表すものが多い。→シク活用

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精選版 日本国語大辞典 「ク活用」の意味・読み・例文・類語

く‐かつよう‥クヮツヨウ【ク活用】

  1. 〘 名詞 〙 文語形容詞の活用の型の一つ。「よし」「高し」などのように、語尾が終止形の「し」にあたる部分で「く・き・けれ」のように変化するもの。連用形の語尾をとって名づけたもの。「シク活用」の形容詞が、おもに主観的な感情または感覚を表わすのに対して、この活用に属する形容詞の多くは、客観的な性質や状態的な属性概念を表わす。「赤し・おもしろし・清し・けだかし・少なし・高し・強し・遠し・のどけし・はかなし・広し・めでたし」など。現代語では、終止形・連体形とも活用語尾は「い」となり、「シク活用」であった語も、その両形が「しい」となった結果、「ク活用」と「シク活用」との区別が失われた。ク活。クシキ活用。
    1. [初出の実例]「赤き花は美し。〈略〉赤きの類をク活用といひ」(出典:中等文法教本(1913)〈三矢重松・<著者>清水平一郎〉上)

ク活用の補助注記

富樫広蔭が弘化三年(一八四六)改正本の「詞玉橋」で「久ノ活」と称したのがもとである。

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