エクアドルの太平洋岸に面する港湾都市で,グアヤス州の州都。人口209万0039(2003)。グアヤス河口より56km上流の西岸に大市街地が広がる。川の両岸に港湾施設を持ち,バナナやカカオ,コーヒーなどの主要産品の積出しを行うほか,同国最大の輸入港として活気を見せ,労働人口の集中化に伴って住民数は1922年以後,首都キトの人口を上回っている。気候は高温多湿だが沖合を流れるフンボルト海流の影響をうけ,12月~4月の雨季以外はしのぎやすい。野口英世が黄熱病の研究のために立ち寄ったが,現在でもチフス,コレラなどの伝染病が発生する不健康地である。市は1537年に創設され植民地時代はパナマとリマとの中継地として栄えたが,いくども海賊の襲撃により焼失した。独立以後,商業に根ざした自由主義的風土は,首都キトの保守的な政策と対立を深め,同国の急進的な政治運動のメッカでもある。
執筆者:寿里 順平
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