ケルセチン（その他表記）quercetin

デジタル大辞泉

ケルセチン（quercetin）

リンゴ・茶・タマネギなどに含まれる黄色色素で、フラボノイドの一種。染料・酸化防止剤のほか、動脈硬化や高血圧などの予防に効果があるとされ、健康食品に用いられる。クエルセチン。

出典　小学館

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

ケルセチン
quercetin

化学式 C₁₅H₁₀O₇ 。配糖体として植物界に広く存在するフラボノイドの一種。3，3′，4′，5，7-ペンタヒドロキシフラボンに相当する。黄色針状晶。融点 316～317℃。冷水に不溶，熱水にやや可溶，冷アルコール，エーテルに難溶。分析用試薬として用いられ，ウラン，ゲルマニウム，ジルコニウム，スズなどと反応して特有の色を示す。種々の配糖体が天然に存在するが，代表的なものにルチンがある。これは，ルチノースが3位にグリコシド結合した配糖体で，毛細血管の強化作用があり，脳出血，放射線障害，出血性諸病の予防に効果があるといわれる。

出典　ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

漢方薬・生薬・栄養成分がわかる事典

ケルセチン【quercetin】

水溶性のビタミン様物質のひとつ。ビタミンPに含まれるフラボノイドの一種。たまねぎ、りんご、緑茶、ブロッコリー、モロヘイヤなどに多く含まれる。ビタミンCを安定に保ち、さらにビタミンCの優れた抗酸化作用を支える役割をもつほか、毛細血管の血管壁を緻密(ちみつ)にして栄養・酸素が血管に出入りする機能を適度に調整、高血圧予防、強い抗炎症作用で花粉症・アレルギー症状の緩和、末梢血管の強化、脂肪燃焼作用、血流改善、動脈硬化・高血圧・心筋梗塞などの生活習慣病予防の作用をもつ。

出典　講談社

栄養・生化学辞典

ケルセチン

　C₁₅H₁₀O₇ (mw302.24)．

　フラボノールの誘導体．植物中に広く分布する色素．

出典　朝倉書店