コロマンデル海岸(読み)コロマンデルかいがん(英語表記)Coromandel Coast

精選版 日本国語大辞典 「コロマンデル海岸」の意味・読み・例文・類語

コロマンデル‐かいがん【コロマンデル海岸】

(コロマンデルはCoromandel) インド半島の南東部、ベンガル湾に面する海岸。古くはローマ帝国東南アジアの貿易中継地として栄えた。チェンナイ(旧マドラス)が最大都市。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「コロマンデル海岸」の意味・わかりやすい解説

コロマンデル海岸
ころまんでるかいがん
Coromandel Coast

インド半島東岸、クリシュナ平野からカーベリ・デルタの先端カリメール岬までの、約700キロメートルにわたるベンガル湾に面する海岸。年平均気温28℃、年降水量1000~1400ミリメートルの亜熱帯海岸で、幅1~5キロメートル、高さ10メートルほどの砂丘ヤシの美しい砂浜海岸が続き、漁村や別荘地が点在する。背後にはプリカット湖やカリベリ湖をはじめ潟湖(せきこ)が広がる。所々に、デカン高原に発するカーベリ川、ペンナ川、パラール川、ポンナイヤール川、クリシュナ川が海岸に広大なデルタを形成している。紀元前のチョーダ王朝、11世紀なかばまで続いたチョーラ王朝がこの地に栄え、タミル語のチョラマンダランが地名の由来となった。17世紀以後、オランダ、フランス、イギリスの植民根拠地となり、イギリスはチェンナイ(マドラス)を占有した。チェンナイ、プドゥチェリ(ポンディシェリ)、カッダロールが主要都市である。チェンナイ近郊にはかつて東南アジア移民や貿易の基地で、観光地として有名なマハバリプラム海岸寺院がある。主要港にはナーガパッティナム、カッダロール、プドゥチェリ、チェンナイがある。北東モンスーンの影響で10、11月に雨が多い。

[成瀬敏郎]

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百科事典マイペディア 「コロマンデル海岸」の意味・わかりやすい解説

コロマンデル海岸【コロマンデルかいがん】

インド,デカン高原南東部,ベンガル湾沿いの海岸。コモリン岬からクリシュナー川河口まで延長約720km。典型的な隆起海岸地形を示し,潟湖(かたこ)や砂州が連続する。波が荒く,自然の良港はなく,マドラスをはじめとする港はすべて人工港。コロマンデルCoromandelの名は9―13世紀にこの地域に栄えたチョーラ朝に由来。
→関連項目ポンディシェリー

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山川 世界史小辞典 改訂新版 「コロマンデル海岸」の解説

コロマンデル海岸(コロマンデルかいがん)
Coromandel

インド東南部のベンガル湾沿いの海岸。コロマンデルの名は「チョーラの国」という言葉に由来する。古くからインド洋の海上交易の中心地であった。ヨーロッパ諸国のインド進出以降は,マドラスポンディシェリをはじめ,各地に商館や要塞が建設された。18世紀にはカーナティック戦争の舞台となり,勝利したイギリスは,この地から南インドにおける覇権を確立していった。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「コロマンデル海岸」の意味・わかりやすい解説

コロマンデル海岸
コロマンデルかいがん
Coromandel Coast

インド南東部,ベンガル湾にのぞむ海岸。その範囲は,北はクリシュナ川の河口から,南はカリメル岬まで。全長約 720km。海岸線が単調なため天然の良港には恵まれないが,チェンナイ (マドラス) をはじめポンディシェリー,カッダロールなどに人工港が造られ,古くからオランダ,フランス,イギリスが交易の根拠地とした。クリシュナ川,カーベリ川などが広大な三角州や潟湖を形成して流入。沿岸平野は豊かな米作地帯。 10月~4月は北東モンスーンに見舞われる。

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世界大百科事典 第2版 「コロマンデル海岸」の意味・わかりやすい解説

コロマンデルかいがん【コロマンデル海岸 Coromandel Coast】

ベンガル湾に面するインド半島東部海岸のうち,クリシュナー河口からマドラスを経てコモリン(カニヤー・クマリ)岬に至る延長およそ720kmの海岸。コロマンデルの名は,9~13世紀に栄えたチョーラの国Chulamaṇḍalamに由来する。この海岸平野は,第三紀末につくられた東にゆるく傾く浸食平野が,第四紀完新世の海進によって沖積層に薄くおおわれたもので,内陸側の浸食平野は東ガーツ山脈の山麓線と,標高100~150mで接している。

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