コロンビア(英語表記)Colombia

精選版 日本国語大辞典 「コロンビア」の意味・読み・例文・類語

コロンビア

(Colombia) 南アメリカ北西端の共和国北部カリブ海西部太平洋に面し、東部アマゾン川の上流地域、南北アンデス山脈が走る。首都ボゴタ。一五〇二年にコロンブスが到達し、その後、スペイン植民地となっていたが、一八一九年大コロンビア共和国として独立。三〇年ベネズエラエクアドルが、一九〇三年パナマ分離コーヒーバナナタバコなどを生産。

コロンビア

(Columbia)
[一] アメリカ合衆国サウスカロライナ州州都。一七八六年計画都市として建設された。農産物の大集散地で、綿工業中心
[二] アメリカ合衆国、ミズーリ州中部の都市。ミズーリ大学の所在地。

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デジタル大辞泉 「コロンビア」の意味・読み・例文・類語

コロンビア(Columbia)

米国サウスカロライナ州中央部の都市。同州の州都。1786年に建設。商工業都市として発展。サウスカロライナ大学が所在する文教都市でもある。
米国ミズーリ州中部の都市。1820年代に開かれ、1920年代に自動車交通の要地として発展。ミズーリ大学コロンビア校をはじめ、高等教育機関が多い。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「コロンビア」の意味・わかりやすい解説

コロンビア
Colombia

正式名称 コロンビア共和国 República de Colombia。
面積 114万970km2
人口 4959万2000(2021推計)。
首都 ボゴタ(旧称サンタフェデボゴタ)。

南アメリカ北西隅を占める国。西は太平洋,北はカリブ海に面し,北西端で両洋を分けるパナマと国境を接する。東から南にかけてはベネズエラブラジルペルーエクアドルに囲まれる。地形は北西半のアンデス山脈と南東半の低地に大別される。南アメリカ大陸の太平洋岸に沿って連なるアンデス山脈は,最北部のコロンビア領内では北流するカウカ川マグダレナ川により,西部山脈,中部山脈,東部山脈の 3山脈に分岐する。中部山脈が最も高く,ウイラ山,トリマ山など標高 5000mをこえる高峰がそびえる。カリブ海沿岸には広い海岸低地が発達。アンデス山脈の南東に広がる広大な低地はオリノコ川支流グアビアレ川によって二分され,北はオリノコ川流域のリャノスと呼ばれる熱帯草原,南はアマゾン川上流域の熱帯雨林となる。赤道地帯に位置するため,概して年中高温の熱帯気候であるが,山地では垂直気候が発達し,首都を含む主要都市は温帯性の気候を示す標高 1000~3000mの山地斜面や高原に集中する。雨季乾季の別があるが,その時期や年降水量などは地域差が大きい。16世紀にスペイン人が訪れ,この地を征服するまでは,カリブ族,チブチャ族などのラテンアメリカインディアン(インディオ)が住んでいたが,その後スペイン人,奴隷として連れてこられた黒人(→黒人奴隷)との間に混血が進み,今日住民の約 60%がこれらの混血である。純粋なインディオは少なく,約 1%。公用語はスペイン語。信教の自由は保障されているが,国民の 80%以上がキリスト教のカトリックである。農業が主産業で,なかでも輸出品のコーヒーが最も重要な作物であり,世界有数の産出国となっている。そのほかの主要作物は輸出用のバナナ,花卉,サトウキビ,タバコ,主食用のトウモロコシ,イネ,コムギ,イモ類など。ウシの飼育を中心とした牧畜も重要。鉱物資源は豊富で多種にわたる。主要鉱産物は天然ガス,石油,石炭,金,銀,白金,エメラルドなど。特に金は南アメリカで上位の,エメラルドは世界最大の産出量。森林資源に恵まれ有用樹も多いが,大部分は未開発。工業は食品,化学,繊維など消費財生産の軽工業が中心であるが,金属加工,自動車組み立て,石油化学などの工業も発達しており,1990年代初頭に農業を抜き,国内総生産 GDPの 20%を占めるにいたった。一方で,コカインの密輸出がコーヒー輸出額の 2倍に相当すると推計されており,国際的問題となっている(→麻薬問題)。麻薬組織と並んでコロンビアの治安を脅かしてきた共産主義武装勢力のコロンビア革命軍は 2010年代に政府との和平交渉を始めた。国民の 80%以上が住むアンデス地域では鉄道,道路,水路,空路による交通網が比較的よく発達しているが,南東半の低地帯では道路がわずかに通るだけで,交通はもっぱら水路と空路による。(→コロンビア史

コロンビア
Columbia

アメリカ合衆国,サウスカロライナ州の州都。同州の中部に位置する。 1786年州都として建設され,南北戦争では市の大半を焼失したが,美しい都市に復興。綿花,タバコなどの集散地で商業中心地。豊富な水力電気を利用し,合成繊維,織物,建築用鉄骨などを生産し,航空宇宙産業も発達。文教中心地でもあり,サウスカロライナ大学 (1801創立) など高等教育機関があり,コロンビア美術館は,イタリアのルネサンス期の絵画のコレクションで名高い。州刑務所,州立病院,空港,州議会議事堂 (ルネサンス様式) ,W.ウィルソン大統領の少年時代の家,フォートジャクソン歩兵訓練部隊などがある。人口 12万9272(2010)。

コロンビア
Columbia

アメリカ合衆国,ミズーリ州中央部ミズーリ川の北方にある都市。セントルイスとカンザスシティーのほぼ中間に位置する。 1821年に入植。 1920年代に発達したハイウェー・システムにより,主要自動車交通の要地となる。ミズーリ大学 (1839創立) をはじめいくつかの大学や,州立癌病院などの医療機関が集中し,高等教育と医療の一中心地。軽工業があるが,市の経済は教育機関が支えている。人口 10万8500(2010)。

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百科事典マイペディア 「コロンビア」の意味・わかりやすい解説

コロンビア

◎正式名称−コロンビア共和国Republic of Colombia。◎面積−114万1748km2。◎人口−4712万人(2013)。◎首都−ボゴタ(2000年サンタ・フェ・デ・ボゴタを改称。695万人,2006,大都市圏)。◎住民−混血75%(メスティソ58%,ムラート14%,サンボ3%),白人20%,黒人4%,インディオ1%。◎宗教−カトリック95%,プロテスタント,ユダヤ教。◎言語−スペイン語(公用語)。◎通貨−コロンビア・ペソColombian Peso。◎元首−大統領,サントスJuan Manuel Santos(1951年生れ,2014年8月再任。任期4年)。◎憲法−1991年7月公布,2005年10月改正。◎国会−二院制。上院(定員102,任期4年),下院(定員166,任期4年)。最近の選挙は2014年3月。◎GDP−2423億ドル(2008)。◎1人当りGDP−2740ドル(2006)。◎農林・漁業就業者比率−18.8%(2003)。◎平均寿命−男70.4歳,女77.7歳(2013)。◎乳児死亡率−17‰(2010)。◎識字率−93%(2008)。    *    *南米北西部の共和国。北はカリブ海,西は太平洋に面し,パナマ地峡で中米に連なる。西部はアンデス山脈北端部の山岳,高原地帯で,マグダレナ川が南北に流れ,おもな居住地域をなす。中部から東部のオリノコ川支流域に平野が広がり,南部はアマゾンの熱帯密林地帯。農業,牧畜が主で,コーヒーの生産量はブラジルに次ぎ,サトウキビ,ジャガイモ,バナナも産する。エメラルド,金,白金,石油などの資源に恵まれる。 1499年スペイン人が到来し,1541年からスペインが金鉱山の開発を始めた。1819年ボリーバルサンタンデルの指導下に,現在のパナマ,ベネズエラ,エクアドルとともにコロンビア共和国(グラン・コロンビア)として独立した。1830年ベネズエラ,エクアドルの脱退で国名をヌエバ・グラナダ共和国とし,1886年改めてコロンビア共和国となった。1903年パナマが分離・独立した。独立以来,保守,自由二大政党の政争が激しく,自由党党首ガイタンが1948年暗殺されたときには,ボゴタでは数千人の死者が出る暴動が起きた。1958年から1974年まで,国民戦線方式(大統領は両党から交互に選出,閣僚は折半)がとられたが,その後は他の政党も勢力を伸ばしている。世界最大のコカイン生産国で,1960年代以降,左翼ゲリラと麻薬密輸組織によるテロなどの活動が激しくなり,政治や社会の動きに大きな影響を与えている。他のラテン・アメリカ諸国と異なり,コロンビア革命軍(FARC,1964年結成)などゲリラ組織の活動は21世紀初頭でも活発である。2002年大統領に就任したウリベは,ゲリラとの対決姿勢を鮮明にした。2010年に就任したサントス大統領は国民統一の旗の下,国民的合意に基づく政策を進めている。
→関連項目サンタ・クルーズ・デ・モンポスの歴史地区

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山川 世界史小辞典 改訂新版 「コロンビア」の解説

コロンビア
Colombia

南アメリカ最北部に位置する共和国。先スペイン期には,ムイスカ(チブチャ)などの首長制社会があったが,1536年ヒメネス・デ・ケサーダに征服された。植民地時代は49年ボゴタに設立されたアウディエンシアによって統治され,1717年および39年には,ヌエバ・グラナダ副王領がペルーから分離設定された。ボリーバルの指導による独立戦争後,それがそのまま大コロンビア共和国として独立したが,彼の死後1830年にコロンビア,ベネズエラ,エクアドルに分裂した。その後,地主,教会などを背景にした保守派と,企業家,商人などに支持された自由主義派の対立が解消せず,20世紀に入って暴力化し,ボゴタソと呼ばれる首都の暴動事件まで引き起こした。1958年から74年まで,保守派と自由主義派が交互に政権を担当する協約が実行されたが,その後,麻薬問題や,それとからまった国内ゲリラ問題が深刻化して,国内政治の混迷が続いている。

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旺文社世界史事典 三訂版 「コロンビア」の解説

コロンビア
Colombia

南アメリカ大陸北西部に位置し,カリブ海と太平洋に面する国。首都サンタフェ−デ−ボゴタ
1500年コロンブスの仲間デオヘダが渡来,スペイン人の植民が始まり,38年同国の植民地,1717年ヌエバ−グラナダ副王領となる。1810年独立を宣言,19年シモン=ボリバルにより解放され,ベネズエラ・エクアドル・パナマを含む大(グラン)コロンビア共和国となる。1830年にベネズエラ,31年にエクアドルが分離し,86年コロンビアと改称。1903年にはパナマが分離独立。国内では保守党と自由党の対立で政変が絶えず,1899〜1902年に続き,48年に内戦が再発し,58年に終結。その後両党の和解が進み,国民戦線を結成。合意により1974年まで4年ごとに政権を交代で担当。コーヒーの大生産国のうえ,1986年には石油の自給を達成して輸出を開始。1989年には左翼ゲリラM19との和平協定が実現した。経済面では,1995年1月にベネズエラ・メキシコとの自由貿易協定が発効,2月からはアンデスグループ(ボリビア・ベネズエラ・エクアドル・ペルー)の域外共通関税をスタートした。なお,アンデスグループは1996年3月からアンデス共同体に改組された。

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デジタル大辞泉プラス 「コロンビア」の解説

コロンビア

米国航空宇宙局(NASA)の有人宇宙輸送機、スペースシャトルの機体のひとつ。NASA型名:OV-102。スペースシャトルのオービタ(宇宙船本体部分)の2号機。宇宙まで飛行した最初のスペースシャトル。名称は18世紀のアメリカ人貿易商人、ロバート・グレイの帆船の名にちなむ。初飛行は1981年4月21日、4人の乗組員を乗せ、高度307kmの軌道を周回して無事帰還。日本人宇宙飛行士としては、1994年に向井千秋、1997年に土井隆雄が搭乗している。2003年2月1日、28度目のミッションの帰還中、大気圏再突入時にテキサス州上空で空中分解事故を起こし、乗組員7名全員が死亡した。

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世界大百科事典 第2版 「コロンビア」の意味・わかりやすい解説

コロンビア【Columbia】

アメリカ合衆国サウス・カロライナ州中央部にある同州の州都。人口10万4000(1994)。同州最大の都市で,州中央地域の商工業の中心地。印刷,織物,衣服,プラスチック,電気部品,事務用機器,ガラス製品などの工場がある。コンガリー川の遡行の終点に位置し,1786年,州の中央部にあるという理由で新しい州都として建設された。1805年に村となり,54年に市制施行。サウス・カロライナ大学,ベネディクト大学,コロンビア大学,コロンビア神学校などがある教育都市でもある。

コロンビア【Colombia】

正式名称=コロンビア共和国República de Colombia面積=114万1568km2人口(1996)=3565万人首都=サンタ・フェ・デ・ボゴタSanta Fe de Bogotá(日本との時差=-14時間)主要言語=スペイン語通貨=コロンビア・ペソColombian Peso南アメリカ大陸の北西端に位置する共和国。ベネズエラ,ブラジル,ペルー,エクアドル,パナマと国境を接する。カリブ海と太平洋に臨む熱帯の国で,国土面積は日本の3倍強。

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飲み物がわかる辞典 「コロンビア」の解説

コロンビア【Colombia】


コーヒーの銘柄の一つで、南米のコロンビア共和国に産するもの。生産量、輸出量はブラジルに次ぐ。マイルドな酸味と強いコクが特徴。

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世界大百科事典内のコロンビアの言及

【サウス・カロライナ[州]】より

…面積8万0432km2,人口370万(1996)。州都および最大都市コロンビア。州名はイギリス王チャールズ1世(ラテン語でカロルス)にちなむ。…

※「コロンビア」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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