改訂新版 世界大百科事典 「ゴガ」の意味・わかりやすい解説
ゴガ
Octavian Goga
生没年:1881-1938
ルーマニアの詩人,政治家。オーストリア・ハンガリー支配下のトランシルバニア地方に生まれ,ブダペスト,ベルリンで大学教育を受けた。異民族支配下のルーマニア農民の民族的悲劇と解放への願いを簡潔で透明な文体に歌った《詩集》(1904)によって愛国詩人として名声を得,また〈ルーマニア人民族党〉の活動に参加して,数度投獄された。1912年にルーマニアに移住し,しだいに政治の中枢部に入りこみ,詩作から遠ざかった。37-38年には右翼政権の首相となった。《大地がわれらを呼ぶ》(1909),《城壁の陰から》(1913)などの詩集,政治評論集《荒野に叫ぶ》(1915),戯曲《石工マノーレ》(1927)のほか,ハンガリー語からの訳詩も多い。
執筆者:直野 敦
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報