精選版 日本国語大辞典 「サド」の意味・読み・例文・類語
サド
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
フランスの作家、思想家。通称マルキ・ド・サド(サド侯爵)。詩聖ペトラルカにたたえられた美女ラウラ・デ・ノベスLaura de Noves(1310―1348)の血を引く由緒ある貴族の家に生まれる。10歳でイエズス会の名門校であるパリのルイ・ル・グランに入学、4年後には選良貴族の子弟を教育するシュボ・レジェ校に進み、1755年には国王付き歩兵連隊の士官に任命されている。しかしその後、物ごいをしていた女を監禁したうえに拷問にかけたという「アルクイユ事件」(1768)、また娼婦(しょうふ)たちを集めて乱行に及んだという「マルセイユ事件」(1772)で醜聞を引き起こす。毒殺未遂と男色のかどで官憲に追われる身となったサドは、入獄と脱獄を繰り返したのち、1784年からバスチーユの「自由の塔」に拘留される。このころすでに囚人作家として出発していたが、当局から危険視され、シャラントン精神科病院に移され、ここで大革命を迎える。大革命によって自由の身となるが、反革命の嫌疑で逮捕(1793)、出獄後に『新ジュスチーヌ』(1797)が良俗を乱すという理由でまたもや捕らえられ、シャラントンで没。
彼の作品には3種の『ジュスチーヌ』のほか、『ソドムの百二十日』(1785年執筆、1904年刊)、無神論の宣言ともいうべき『司祭と瀕死(ひんし)の病人の対話』(1782年執筆、1926年刊)、『閨房(けいぼう)の哲学』(1795)、書簡体長編小説『アリーヌとバルクール』(1795)、最晩年の傑作『ガンジュ侯爵夫人』(1813)などがある。中短編小説集『恋の罪』(1800)に付された「小説論」は、サドのロマン派志向をよく示している。
[植田祐次 2015年5月19日]
『澁澤龍彦訳『新・サド選集』全8巻(1965~1966・桃源社)』▽『澁澤龍彦訳『閨房哲学』(角川文庫)』
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報
…西欧のエロティシズムの歴史は18世紀の自由思想とともに,根本的な変化を生ずる。あえて宗教的束縛に挑戦したスペイン説話の主人公ドン・フアン,性の全面的自由と個人主義を主張したサド侯爵や,カザノーバのような文学者があらわれるからだ。とりわけサドはエロティシズムの歴史の分水嶺に立っており,その影響は現代のバタイユにまで直接に及んでいる。…
…それは作者が自己の深い挫折感,ペシミズム,人間憎悪などの感情のはけ口を糞尿のイメージに求めているからだと解釈できる。この型に属するもうひとりの作家としてサドを挙げることができる。彼もまた当時の社会に対するラディカルな反逆児であり,それゆえ深い疎外感を抱いていた。…
…この世紀は〈ポルノグラフィーの黄金時代〉ともいわれている。たしかに快楽主義が流行し,サドやカサノーバが性のユートピアを追い求めた。J.クレランドの《ファニー・ヒル》(1749),サドの《ジュスティーヌ》に対抗して書かれたレティフ・ド・ラ・ブルトンヌの《アンティ・ジュスティーヌ》(1798)などのポルノグラフィーの傑作がこの時代に書かれている。…
※「サド」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について | 情報
他の人にすすめること。また俗に、人にすすめたいほど気に入っている人や物。「推しの主演ドラマ」[補説]アイドルグループの中で最も応援しているメンバーを意味する語「推しメン」が流行したことから、多く、アイ...
11/10 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
10/26 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典を更新
10/19 デジタル大辞泉プラスを更新
10/19 デジタル大辞泉を更新
10/10 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
9/11 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新